2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26860214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西尾 美希 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (10467897)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Hippo / 肺腺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人の死因の中でがんは最も多く、特に肺がんによる死亡率が最多であることから、肺がんの発症・進展機構の解明が急務である。 近年、接触抑制に重要なシグナルとしてHippo経路が報告され、Hippo経路のコア分子のひとつであるMOB1Aはヒト非小細胞性肺がんの2/3の症例で顕著な発現低下を見ることから、肺がんの発症・進展に重要であると予想されるものの個体レベルでの機能はわかっていなかった。そこで本研究では、MOB1 A/1Bによる肺胞・細気管支の形成・維持機構やその破綻による発がんの有無を解明するため肺胞・細気管支上皮特異的なMOB1 A/1B欠損マウスを作製し、解析を行った。 前年度までに胎生期から肺胞・細気管支上皮特異的にMOB1 A/1Bを完全に欠損させると、出生直後に新生児呼吸促迫症候群(IRDS)様の病態を呈して全例致死となることや、成体になってからMOB1 A/1Bを完全に欠損させると、Collagen17a1の発現が著しく低下して、細気管支上皮細胞の気管支内腔への剥離を生じ、ウレタン誘発性肺腺がん形成が顕著に抑制されることを見いだした。成体になってからMOB1 A/1B欠損でみられるこれらの表現型はCollagen17a1欠損マウスの肺においても類似の表現型が観察され、ヘミデスモソームの形成不良によることを見いだした。これらの成果は論文投稿準備中である。
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