2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒストンH4メチル化修飾を介したエピジェネティックな脂肪蓄積制御機構の解明
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26860227
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤井 智明 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10511420)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メチルトランスフェラーゼ / 脂肪細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,ヒストンH4のリシン残基をメチル化修飾するSMYD2とSMYD3の二重欠損マウスを作製し,本マウスが異常な脂肪蓄積を呈することを示した.この結果は,ヒストンH4のリシン残基をメチル化修飾が脂肪蓄積に関わっていることを示している.本研究は,脂肪蓄積制御におけるヒストンH4のリシン残基のメチル化修飾の役割とそのメカニズムを明らかにすることを目的としている.本マウスの異常な脂肪蓄積が脂肪蓄積は間葉系幹細胞または脂肪前駆細胞の脂肪細胞への分化異常によるものかを明らかにするために,本年度は,まず,間葉系幹細胞と脂肪前駆細胞の初代培養法の確立を試みた.間葉系幹細胞については,野生型マウスの骨髄および耳から間葉系幹細胞の分離し,初代培養を行い,次に脂肪細胞への分化誘導を行った.その結果,耳から分離した間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化が見られた.脂肪前駆細胞については,野生型マウスの脂肪組織から脂肪前駆細胞を分離し,間葉系幹細胞と同様に脂肪細胞への分化誘導を行った.その結果,分離した脂肪前駆細胞の脂肪細胞への分化が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,野生型マウスの耳からの間葉系幹細胞の分離と初代培養,および脂肪組織からの脂肪前駆細胞の分離および初代培養を行うことができ,これら細胞を用いた脂肪細胞への分化誘導法も確立した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,Smyd2およびSmyd3欠損マウス,およびSmy2とSmyd3の二重欠損マウスから間葉系幹細胞および脂肪前駆細胞の分離および初代培養,そして脂肪細胞への分化誘導を行う.そして,これら変異型マウスから分離した間葉系幹細胞および脂肪前駆細胞と野生型マウスから分離したこれらの細胞の脂肪細胞への分化能を比較検討していく.そのため,これらマウスの飼育・交配,初代培養および分化誘導を行うための試薬の購入費用が必要になる.
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Causes of Carryover |
本年度は,主に野生型のマウスを用いて間葉系幹細胞および脂肪前駆細胞の初代培養の条件検討,さらに脂肪細胞分化への誘導実験法の確立を中心に行っていた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は,野生型マウス.Smyd2およびSmyd3欠損マウス,およびSmy2とSmyd3の二重欠損マウスを用いた実験を行うので,これらマウスの飼育・交配,初代培養および分化誘導を行うための試薬の購入費用のための予算として使用していく.
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