2014 Fiscal Year Research-status Report
大腸発癌過程においてHNF4a(P1)発現が消失するメカニズムの解明に向けた研究
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26860231
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅野 雅人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40643606)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HNF4a(P1) / 大腸癌 / 大腸癌サブタイプ / 遺伝子変異 / 免疫染色 / 胃癌 / 細胞診 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸の初期癌であるcancer in adenoma50例に対してHNF4a(P1)とp53、ki-67の免疫染色を行い、i) 正常粘膜部分においてHNF4a(P1)発現とki-67発現がinverse correlationを示すこと、 ii) 前癌病変と考えられる腺腫部分では、このinverse correlationに異常が生じること、 が明らかとなった。また、cancer in adenomaは、その名の通りadenoma-carcinoma sequenceによる発癌であり、その他発癌のmajor pathwayと考えられつつある前駆病変(serrated pathway)について、SS-A/Pを背景に生じたと考えられる10例の初期癌症例を収集した。また、こうした発癌経路との関連で注目される大腸癌サブタイプとして、CIMP-negative、CIMP1(≒MSI-high)、CIMP2が提唱されているが、進行大腸癌をp53免疫染色やk-ras変異の有無に基づいて、これら3群に大分類するべくk-ras変異検索を行った大腸癌症例を148例収集し、うち50例を無作為に抽出し、HNF4a(P1)発現とp53、ki-67発現との関連を検討中である。 また、上記課題とは直接関連しないが、消化管など内胚葉系臓器にほぼ特異的かつ恒常的に発現するHNF4aの特性を活かし、HNF4a免疫染色が腹水中の胃癌細胞の検出に有用である可能性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究費内定後に一定のeffortを割きつつありましたが、2014年夏時点で異動を言い渡され(当初予定は2015年3月31日付けで異動。ただし、申請者自身が、研究遂行のためではなく病院業務の引継ぎが必要と判断したため2015年8月まで現職予定)、研究計画の変更を余儀なくされた。モチベーションの問題も大きいと思われ、この点については申請者自信も深く反省している。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年9月には他施設へ異動予定であり、研究が遂行できるか不明瞭な部分があるため可能な範囲で前駆病変から早期病変の検索を行う。即ち、all-ras/BRAFなど当初自力で検索予定であった遺伝子変異について外注による検索を行い、これら遺伝子変異(≒サブタイプ)の明らかな症例についてHNF4a(P1)発現の検討を行い、HNF4a(P1)消失との関連を明らかにしたい。合わせてk-ras検索を行った進行癌症例についてもHNF4a(P1)の発現消失を確認し、研究過程で得られた1) 右半結腸、2) k-ras変異 症例にHNF(P1)消失例がより多く収束することまでを明らかにしたい。 また、腹水中胃癌細胞の補足にHNF4a免疫染色が有用であることが示された点については論文化の予定である。
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Causes of Carryover |
研究が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を迅速に進め有効に使用したい。
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