2015 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリング因子ARID1A発現消失の胃癌における意義の解明
Project/Area Number |
26860232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 浩幸 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40708632)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胃癌 / ARID1A / EBV |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では胃癌の発癌、進展におけるクロマチンリモデリング遺伝子ARID1A変異及び発現消失がもたらす意義を、胃癌のsubtype(EBV関連胃癌、マイクロサテライト不安定性胃癌及びその他の胃癌)ごとに解析することを目的とした。 EBV陰性でMSIの無い一般の胃癌細胞株を用いてsiRNAによるARID1A knockdownとマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行った結果、多数の遺伝子の発現上昇と低下が確認された。Gene Ontology解析では、発現が変動した遺伝子群には細胞増殖、細胞周期に関連する遺伝子が多数含まれていた。ARID1A knockdownを行うと培養4日目以降に細胞増殖がやや抑制されることが判明した。 胃がん細胞株にARID1A knockdownを行うとEBV感染効率が上昇すること、上記のマイクロアレイで見つかったARID1A knockdwonにより発現が上昇する遺伝子の中には、ARID1Aと同時にknockdownするとEBV感染効率上昇の効果が打ち消されるものがあることも判明した。従ってEBV関連胃癌におけるARID1A発現低下はEBV感染に先行し、EBV感染効率の上昇を介してEBV関連胃癌の成立に寄与している可能性が示唆された。 またEBV関連胃癌では高度なDNAメチル化が知られているが、メチル化維持に重要な遺伝子の一つDNMT1がARID1A knockdownによりmRNAレベルで発現上昇することも判明した。
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Research Products
(7 results)