2014 Fiscal Year Research-status Report
microRNAから見た早期大腸癌におけるリンパ節転移に関わる分子基盤の研究
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26860240
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
立石 陽子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20644438)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 早期大腸癌 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、早期大腸癌(大腸SM 癌)における浸潤・転移に関与するmiRNAの発現解析を行い、その分子病理学的特性を明らかにすることを目的としている。今年度は、大腸SM癌の病理組織標本(HE標本)50例をレビューし、形態学的な特徴を検討した。腫瘍の大きさ、発育様式、組織型、浸潤部の粘膜筋板状態、深達度、浸潤距離、脈管侵襲、簇出、腫瘍間質の線維化、浸潤先進部のリンパ球浸潤の程度、リンパ節転移の有無などを観察し、これらの結果からSM癌の病理組織学的なデータベースを作成した。さらに、大腸SM癌50例を対象として、病理組織切片から、非腫瘍部、腫瘍部を取り分け、miRNAを抽出した。浸潤・転移に関与すると考えられるmiRNA (miR-31, miR-21, miR-200 family,miR-143)の発現を定量的RT-PCR法により評価たところ、miR-31およびmiR-21は、腫瘍において有意に発現レベルが上昇していることを明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
microRNA抽出の困難症例が多く、予定よりも検討できた症例数が少ない。固定標本の状態により、遺伝子の変性が強いものが混在していると考えられるが、条件検討を進めてきた。更に症例を追加して検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の結果に、さらに症例を追加し、子病理学的、組織形態学的特徴とmiRNA発現の相関を解析する。その結果から、高悪性度な大腸SM癌に特徴的な発現を示すmiRNAを明らかにする。
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Causes of Carryover |
当該研究室で以前に購入していた試薬で実験材料の多くをまかなうことができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
RNA抽出キット、リアルタイムPCRで使用するプライマー・試薬、ISHのプローブなどを購入する。
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