2014 Fiscal Year Research-status Report
胆道良性および悪性疾患における分離腺管のエピジェネティクス解析
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26860242
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
塩井 義裕 岩手医科大学, 医学部, 助教 (00714346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胆管癌 / 胆嚢癌 / 胆道癌 / 癌関連遺伝子 / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,胆道系疾患の腫瘍性腺管と非腫瘍性腺管における癌抑制遺伝子のプロモーター領域のメチル化を解析し,胆道癌における発癌過程で癌抑制遺伝子のメチル化がどのように関与しているかを明らかにすることである. 当院で手術された胆道疾患の新鮮手術材料から、腺管分離法を用いて純粋な上皮成分のみを分離し、組織標本作製用サンプルとDNA 抽出用サンプルに分けて回収する。前者はHE染色標本を作製し,間質を含まない腺管であることを確認し、後者はDNAを抽出している。2008年の研究開始時点から現時点までで、胆管癌のサンプル(腫瘍腺管、非腫瘍腺管)を25例集積した。また、胆嚢癌および胆嚢管癌のサンプル(腫瘍腺管、非腫瘍腺管)を合わせて17症例集積した。現時点で合計42症例のサンプルを集積した。このサンプルから一部を組織標本作成用サンプルとして採収し、分離腺管の形態解析のためパラフィン包埋してHE染色標本を作製する段階まで行っている。他方、採収した分離腺管からDNA抽出し、このDNAから癌関連遺伝子のプロモーター領域のメチル化をpyrosequencing 法で解析している。解析している遺伝子はCDH1,CDH13,FHIT,hMLH,p16, p15, p14, p73, CHFR, REPRIMO, BLU, ZFP64,RUNX3, HPP1,RASSF1A, RASSF2A, SFRP1, SALL4,MGMT,TIMP3,SEMA3Bを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で,胆管癌と胆嚢癌、胆嚢管癌を合わせた42症例からサンプルを採取した。研究に必要な症例は充足する症例数にほぼ達してきたと考えている。採取したサンプルから分離腺管の形態解析のため組織標本作成用サンプルからHE染色標本を作製する段階は順調に進んでいる。しかし,DNAメチル化解析を行うため,採収した分離腺管からDNA抽出するまでは進んでいるが,このDNAから癌関連遺伝子のプロモーター領域のメチル化をpyrosequencing 法で解析する段階は遅れており、今後迅速に進めていく予定である。胆道癌は消化器癌のなかでも症例が少なく,新鮮な手術標本を確保するにはある程度の期間が必要である。さらに胆道粘膜は自己融解しやすく,手術で摘出された新鮮標本からすぐに標本を採取して腺管分離しなければ癌腺管と周囲粘膜は採取できない。また,腺管分離法で採取した腺管はすぐに分離しなければ純粋な腺管を採取することは難しい。このため,研究期間の最初の1年は組織サンプルの採取に専念する必要があった。研究に必要なサンプル数を確保する目途がついたため、今後はDNAメチル化解析を中心に研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に必要な腺管分離検体の確保はほぼ達成する目途がついた。今後は癌関連遺伝子のメチル化をpyrosequencing 法で解析する研究の本丸を遂行予定である。また,最新の論文報告と当教室の方針から、解析する遺伝子を一部入れ替えることも検討している。
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Causes of Carryover |
DNAメチル化解析の進捗状況が遅れており, それに伴って試薬などの購入が一部遅れていた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後, PCR,pyrosequencing 法に必要な試薬を順次購入していく予定である。
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Research Products
(3 results)