2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of LEFTY as a molecular marker for ovarian clear cell carcinoma: its relationship to apoptosis and cell proliferation
Project/Area Number |
26860245
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松本 俊英 北里大学, 医学部, 助教 (10623184)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 卵巣明細胞癌 / バイオマーカー / Lefty / TGF-β / アポトーシス / 抗腫瘍作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度で解析した内因性Leftyの発現検索を基に、Lefty恒常発現系及びノックダウン系の作製より、Leftyの機能解析を検討した。 卵巣癌細胞株(TOV-21G)にLefty遺伝子の発現ベクターをトランスフェクションして作成したLefty恒常発現系(TOV-Lefty)は、mockに比して細胞増殖能が低下しており、タンパク質発現においてもpSmad2、XIAPの発現低下とp53、p21waf1の発現亢進が認められた。また、TOV-Leftyに抗がん剤Cisplatinを添加すると、mockに比してアポトーシス細胞の増加がFlowcytometryにおいて観測され、Western blot法ではp53、bax、p21waf1、cleaved caspase 3が高発現であり、pSmad2とXIAPの発現が低下していた。また一方で、卵巣癌細胞株(OVISE)にshRNAをトランスフェクションすることによるLeftyノックダウン系を作製(OV-shLefty)したところ、pSmad2の発現亢進とCisplatin添加によるアポトーシス細胞の低下が観測された。 臨床材料による結果より、Lefty高発現の症例においてはKi-67 Labiling Indexは低く、細胞増殖能とは負の相関関係であり、アポトーシス細胞数とは正の相関関係が認められており、in vitro解析の結果と一致していた。 アポトーシス抑制因子であるXIAPは、TGF-β刺激によりタンパク質、mRNAともに発現亢進していた。Luciferase assayにおいて、XIAP promoterはSmad2により活性が亢進するがLeftyを同時にトランスフェクションすることにより、その活性が低下することが明らかとなった。 これらの結果より、卵巣明細胞癌に特異的に発現する分子マーカー候補であるLeftyは、細胞増殖抑制とアポトーシスの誘導による抗腫瘍作用として機能している可能性が示唆された。
|