2015 Fiscal Year Research-status Report
膵がんにおけるPrimary ciliaの意義解明:シグナル伝達に着目して
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26860246
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
江本 桂 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40570859)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵がん / Primary cilia / 病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度行った検討は以下の通りである. 1)Primary ciliaを発現しうる細胞株と発現しない細胞株にIFT88ならびにKIF3AのshRNA,empty vectorを組み込んだ細胞株を樹立し,クローニングを行った. 2)作製した細胞株のshRNAが正常に働いていることを確認後,Primary ciliaの発現抑制が強い株を選択した.それらの細胞株をマウスの膵臓に同所移植し,腫瘍形成能や体内動態を観察した.Primary ciliaをもともと発現しない方の細胞群も同所移植実験を進行中である. 3)作製した細胞群を用いて,化学療法に対する耐性実験を行い,複数回の検討を行うべく継続中である.また,SHHシグナル系薬剤に対する反応を検索した. 4)作製した細胞株を異なる条件下で培養し,primary ciliaの有無による増生および性状の変化を観察した. 5)免疫染色やウエスタンブロットに使用可能な抗体の検索を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
比較的順調にshRNAの導入および効果確認を行えたため,その後の実験の開始を早めることができた.そのため,前年度の遅れを取り戻し,おおむね本来の実験予定となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の目標は以下の通りである. 1)進行中のマウス移植実験のデータ解析および採取された腫瘍組織に対する組織学的検討を行う. 2)抗がん剤に対する各細胞群の耐性を検討し,primary ciliaが薬剤耐性に関与するかを検討する. 3)術前化学療法を行った臨床症例に対して,primary ciliaの発現や分布と組織像との対応を検討する. 以上の結果をまとめ,学会発表ならびに英文での論文投稿を目指す.
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