2015 Fiscal Year Annual Research Report
iMscopeを用いた癌特異的リン脂質の探索とその機能解析
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26860260
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
倉部 誠也 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60466737)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フォスファチジルコリン / iMScope / 質量顕微鏡 / 大腸癌 / 胃癌 / Akt |
Outline of Annual Research Achievements |
癌特異的に発現する物質の同定は癌の治療法の開発において重要である。その探索は癌特異的なタンパク質において進んでいる。最近になり脂質の一種であるリン脂質が癌の悪性化に重要である事が示唆された(Mol Cell Biochem. 2005, J Cancer Res Ther. 2005)。しかし、数多くあるリン脂質のうちどれが癌で特異的に発現しているかを証明した報告はなかった。我々はCancer Sci. 2013でiMscopeを用いて大腸癌特異的なリン脂質を同定した。本研究ではその研究をさらに発展させるとともに胃癌において新たな癌特異的リン脂質を発見し、そのリン脂質の癌特異的高発現の原因をもたらす酵素遺伝子を同定してそれが癌の悪性化の原因となるか検証した。大腸癌特異的に高発現するPC-32:1をNIH3T3細胞に添加し、各種リン酸化抗体でウェスタンブロットしたところ、Aktのリン酸化のみが特異的に上昇した。また、iMScopeスクリーニングを胃癌に適用したところPC-34:2とPC-36:4が胃癌特異的に発現減少していることが明らかとなった。さらにそれらのPCの発現減少の原因としてLPCAT3の発現が胃癌特異的に減少していることも明らかとなった。そして、LPCAT3を胃癌細胞株MKN-28に安定的に過剰発現させると、細胞増殖が抑制されることが明らかとなった。
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