2015 Fiscal Year Annual Research Report
Plasmablastsを介した多発性硬化症に対する新たな治療法の開発基盤の確立
Project/Area Number |
26860262
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 真典 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (50542106)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | plasmablasts / IL-10 / 多発性硬化症 / 脳脊髄炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに申請者らは、多発性硬化症のマウス実験モデルである脳脊髄炎の抑制には、plasmablastsと呼ばれるB細胞集団からの抑制性サイトカインIL-10の産生が必須であることを明らかにしている。しかしながら、マウスだけでなく、ヒトにおいてもplasmablastsが主要なIL-10産生B細胞として機能するかは不明なままであった。 健常人の末梢血から単離したB細胞をCpG (TLR9リガンド)やサイトカインを用いてin vitroで培養したところ、plasmablastsへ分化したB細胞集団のみがIL-10を産生することが明らかとなった。マウスのplasmablastsはB細胞受容体を刺激すると多量のIL-10を産生すること、又、このplasmablastsによるIL-10の産生にはIRF4とNFATの両遺伝子が活性化されることが必須である。そこで、上述した方法で分化誘導させたヒトのplasmablastsをB細胞受容体刺激したところ、未刺激時に比較して、IL-10産生量が約10倍増加した。また、このplasmablastsはIRF4を高発現するだけでなく、サイクロスポリンAと呼ばれるカルシニューリン阻害剤でNFATの活性化を阻害すると、B細胞受容体刺激によるIL-10産生量の増加が完全に阻害された。 以上の結果から、マウスとヒトのplasmablastsは、同様の遺伝子の活性化を介して、IL-10を産生していることが強く示唆された。
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