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2014 Fiscal Year Research-status Report

神経炎症におけるエクソソームの役割と作用機序の解明

Research Project

Project/Area Number 26860274
Research InstitutionTokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology

Principal Investigator

川上 恭司郎  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90589227)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywordsエクソソーム / ミクログリア / 神経炎症 / プロテオーム
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、神経変性疾患に深く関与する神経炎症において、活性化ミクログリアから分泌される膜小胞、エクソソームが果たす役割を解明することを目的としている。本年度は、マウスミクログリア株化細胞であるBV-2細胞から分泌されるエクソソームがLPS刺激によりどのように変化するかを検討した。
【①ミクログリア細胞からのエクソソームの単離】BV-2細胞をLPSで処理し翌日培地を回収した。培地を超遠心してエクソソームを単離した後に、粒径をqNanoナノパーティクル計測器により測定したところ、通常のエクソソームと同様に120-140nmにピークを持つ粒径分布を得た。さらにqNanoにより培地中のエクソソームの量を計測したところ、LPSの濃度が増加すると細胞あたりの分泌エクソソーム量が増加することが分かった。
【②ミクログリア由来エクソソームの神経細胞障害性の検討】低濃度LPS処理と未処理のBV-2細胞より得たエクソソームを神経細胞モデルであるPC12細胞に投与し、細胞の変化を観察したが、大きな変化は確認できなかった。これについては、細胞へのエクソソームの投与量、処理時間などを検討する必要があるものと考えている。
【③エクソソームに含まれるタンパク質のプロファイリング】低濃度LPS処理と未処理のBV-2細胞より得たエクソソームをトリプシン消化後、iTRAQで標識することにより定量的プロテオーム解析を行ったところ、特定の機能を有するタンパク質群が増加していることを見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウスミクログリア細胞であるBV-2細胞をLPSで処理し、培養液中に分泌されたエクソソームを超遠心法で単離し解析を行った。qNanoパーティクル計測器を用い、エクソソームの粒子径分布を確認し、LPS刺激によりエクソソームの分泌量が増加することを見出した。さらに定量プロテオーム解析を行い、LPS刺激によりエクソソーム内で増加するタンパク質群を同定した。以上のことから、ミクログリア活性化に伴い分泌されるエクソソームが神経炎症で果たす役割を明らかにする本研究は、おおむね順調に進展していると考えた。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策は以下の通りである。
①ミクログリア細胞にアミロイドβなどLPS以外の処理を行い、分泌されるエクソソームの量の計測とエクソソーム内タンパク質のプロテオーム解析を行い、LPS処理との共通性と差異を明らかにする。
②超遠心法により単離したミクログリア由来のエクソソームが神経細胞に及ぼす影響を観察する条件(エクソソーム投与量と時間)を至適化し、細胞障害性の評価を行う。
③プロテオーム解析により得られた候補タンパク質をsiRNAによりノックダウンし、神経細胞に及ぼす影響の減弱を確認する。
④株化細胞で得られた結果の初代培養ミクログリアおよび神経細胞での再現性を確認する。

Causes of Carryover

前年度から引き続き行っている他の研究の試薬と共通するものが多く、使用期限を考慮して既に購入済みの試薬を先に使用するなど、予定の試薬の購入を遅らせる事態が発生したが、基金である利点を活用し、翌年分にスライドすることが可能であったため商品の重複購入を避けることができた。これからプロテオーム実験の再確認、ウエスタンブロットによる確認、siRNA実験、初代培養などの実験があるため予算は無駄なく本研究のために執行できる予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

基本的には研究計画書通りの割合での支出であるが、質量分析の使用頻度が予想より多いため、効率化を考えて質量分析関連の消耗品を増やす。また、抗体、siRNA、動物など研究計画に基づき無駄なく執行していく予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Remarks (2 results)

  • [Remarks] 老化バイオマーカー研究 研究チーム 研究チーム紹介 東京都健康長寿医療センター研究所

    • URL

      http://www.tmghig.jp/J_TMIG/kenkyu/team/rouka_biomarker.html

  • [Remarks] 川上恭司郎の研究ページ (K.K Lab)

    • URL

      http://kyojiro.com

URL: 

Published: 2016-06-01  

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