2015 Fiscal Year Research-status Report
免疫応答を制御するバキュロウイルスを用いたマラリアワクチンプラットフォームの開発
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26860278
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊従 光洋 金沢大学, 薬学系, 准教授 (20608351)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マラリア / ワクチン / バキュロウイルス / 遺伝子組換え原虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては前年度までに作製した免疫制御性バキュロウイルスベクターの機能解析、免疫原性の確認ならびにマラリア感染防御効果の検証を行った。 A) 補体抵抗性カセット含有ベクター:すでに補体抵抗性を有することを確認している本ベクターのマラリア感染防御効果について、感染蚊を用いたチャレンジ感染試験で検証した。DAF発現によって液性免疫応答が変化することはなかったが、DAF未発現ベクターに比べ2倍の完全感染防御効果(30%>60%)を確認した。B) 樹状細胞にターゲティング可能な単鎖抗体発現型ベクター:進展なし。C) デコイレセプターカセット含有ベクター:L-929細胞を用いた細胞刺激実験により、本ベクターの添加で同細胞の細胞死が誘導されることを明らかにした。抗ウイルス抗体の誘導が起こりにくい理由としてワクチン接種された細胞が速やかに死ぬことが影響しているものと示唆している。D) サイトカイン発現ベクター:IL-12 p40/p35発現型ウイルスをPfCSP発現型基本ベクターとともに共免疫したところ、抗PfCSP抗体価においてIgG2/IgG1比が強力に上昇し、Th1応答が優位になったことが示唆された。今後、感染防御効果についても検証を行う。E) shRNA発現ベクター:EGFPのノックダウンが可能なコントロールベクターを作製し、EGFP安定的発現株において有意な発現抑制を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度と同様、プラスミド構築、ワクチン作製、ELISA抗原精製と評価、感染蚊作製ならびにチャレンジ感染試験による評価系は、研究室において確立できたと考えている。機能が明らかとなったワクチンベクターに関しては、チャレンジ感染試験に進展することができ、かつ良好な感染防御効果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
主として研究実績にあるAとDのワクチンベクターが興味深い免疫応答ならびにマラリア感染防御効果を誘導するため、両者を組み合わせた免疫ならびに感染試験を遂行する予定である。使用しているワクチンの免疫惹起能を検証するため、自然免疫賦活化機構の調査を予定している。主としてNitric oxideの産生に着目した研究を行う予定である。
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Research Products
(7 results)