2014 Fiscal Year Research-status Report
レギュローム解析を基盤としたサルモネラClpXPによる遺伝子発現制御機構の研究
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26860282
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 慶治 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00554586)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンパク質分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルモネラのAAA+プロテアーゼClpXPがファゴソーム内で分解している基質候補の探索を目的として、これまでに申請者は、基質の分解を途中で停止させ基質をトラップする系を構築し、トラップした基質サンプルを質量分析にかけ、256の基質候補を得ている。この中で、ファゴソーム条件下で機能すると考えられている転写因子・グローバルレギュレーターを5件(SsrB、PmrD、IscR、RelA、AcnB)、細胞分裂に関わる3つの候補(ZapC、BolA、SeqA)を選び、Hisタグ融合タンパク質発現系を構築した。これらの候補について、野生株とclpX欠損株における細胞内蓄積を比較したところ、PmrDとZapCについて、clpX欠損株における細胞内蓄積が見られた。さらに、タンパク質合成阻害剤を用いて、細胞内でのタンパク質安定性の変化を検討した結果、clpX欠損株においてPmrD及びZapCは安定化することを明らかにした。以降、2つの候補のうち、PmrDに着目して研究を進めた。PmrDは、サルモネラ菌体内でClpXPによって分解制御されていると考えられたため、次にin vitro分解実験の系を構築して、PmrDがClpXPによって直接分解されるかどうかの検討を行った。まず、Hisタグ融合PmrDの精製条件の検討を行い、90%以上の純度での精製条件を確立した。また、ここで得られた精製PmrDを用いて抗PmrD抗体を作成した。現在報告されている幾つかの基質分解条件で分解実験を行ったが、ClpXPによるPmrD分解はin vitroでは起こらなかった。CLpXPの基質の中には、アダプター因子と呼ばれる第3の因子と結合することで、自身の分解速度が大幅に上昇するケースが多数報告されている。PmrDについても、細胞内での安定性実験の結果と、in vitroの系での結果が食い違う理由として、細胞内でPmrDに結合してPmrD分解速度と量を調節する第3の因子の存在が考えられた。
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Research Progress Status |
予定していたトラップ実験からの候補遺伝子の絞り込みを行い、細胞内でClpXPにより制御されている遺伝子をその中から同定した。 In vitro分解実験、相互作用実験の系も確立しており、予定していた解析を達成している。
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[Journal Article] FliT selectively enhances proteolysis of FlhC subunit in FlhD4C2 complex by an ATP-dependent protease, ClpXP.2014
Author(s)
Sato, Y., Takaya, A., Mouslim, C., Hughes, K.T., Yamamoto, T.,
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 289
Issue: 47
Pages: 33001-33011
DOI
Peer Reviewed