2015 Fiscal Year Annual Research Report
感染ステージに応じて宿主生理機能を攪乱するA群レンサ球菌の新規分泌タンパクの同定
Project/Area Number |
26860285
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
相川 知宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70725499)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分泌タンパク質 / 42 kDa protein / Group A streptococcus |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、A群レンサ球菌(Group A streptococcus:GAS)の産生する新規分泌タンパク質として42 kDa proteinを見出した。本タンパク質の役割を明らかにするため、欠損株を作製して種々の解析を行ったところ、1)欠損株の宿主細胞への細胞付着率、細胞侵入率および細胞内生存率は親株であるJRS4株のものと比べて顕著に増加する、2)欠損株に対するオートファゴソーム形成率は、JRS4のものより顕著に減少する、3)欠損株に対して形成されるオートファゴソームは、JRS4株のものと比較して巨大なものが観察される、4)欠損株感染時のオートファゴソームとリソソームの共局在率はJRS4株感染時と同程度である、という結果を得た。 平成27年度においては、欠損株に対して42 kDa proteinを再導入したノックイン株作製し、上記と同様の解析を行った。ノックイン株の細胞付着・侵入率及び細胞内生存率、ならびにオートファジー誘導能は全て親株であるJRS4株と同程度であったことから、欠損株で得られた解析結果が本タンパク質の機能によるものであることが裏付けられた。次に、42 kDa proteinが宿主細胞内に移行するかを確認するため、百日咳菌由来のCyaAと本タンパク質の融合タンパク質を発現株する菌株を作製した。CyaAは真核細胞のカルモデュリン依存的にcAMPを産生することから、本タンパク質とCyaAの融合タンパク質が宿主細胞へ移行した場合、宿主細胞内において、42 kDa protein依存的にcAMPが産生される。融合タンパク質発現株の感染時のcAMPの産生量はベクターのみを発現した株に比べ顕著に高かったことから、本タンパク質が宿主細胞内に移行していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)