2014 Fiscal Year Research-status Report
気道の求心性神経を対象とした百日咳における咳嗽発作発症機構の解明
Project/Area Number |
26860286
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新澤 直明 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (10583015)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 百日咳 / 感覚神経 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、百日咳の咳発作メカニズムの解明を目指すものである。百日咳における咳発作は、百日咳菌による感覚神経への刺激が原因であることが予想されている。そこで、申請者らは、百日咳菌とラット感覚神経の相互作用解析を行うこととした。 本年度は、ラットの感覚神経のカルシウムイメージング系を確立した。ラットの後根神経節を外科的に摘出し、感覚神経のin vitro培養を行った。in vitroで培養した感覚神経をカルシウム指示薬Fluo-4AMでラベルした後に、カルシウムイメージングを行った。その結果、カプサイシンおよび塩化カリウムの添加によって感覚神経のカルシウム濃度上昇が観察された。以上のことから、感覚神経のカルシウムイメージング系の確立に成功した。 次に、百日咳菌の生菌および細胞破砕液を添加したところ、どちらの場合も一過的なカルシウム濃度上昇が観察された。この結果より、百日咳菌は感覚神経を刺激することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の目的であったラット感覚神経のカルシウムイメージング系の確立を行った。さらに、百日咳菌の菌体破砕液の感覚神経刺激能を明らかにした。これらの成果により、百日咳菌と感覚神経の相互作用を明らかにするための実験材料を整えることに成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
菌体破砕液中の感覚神経刺激能を持つタンパク質・化合物の同定を行う。また、菌体破砕液による感覚神経刺激能が他の神経刺激を増強あるいは減衰するか否かを解析する。
|
Causes of Carryover |
少額であったため、次年度に繰り越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品購入費に充てる。
|