2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26860306
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮川 敬 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20580046)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宿主-ウイルス相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト細胞にはⅠ型インターフェロン(IFN)誘導性で、広範なウイルスの複製を抑制する「感染抵抗性宿主因子(Restriction factor)」が複数存在する。しかし、これらはHIV感染細胞においてはHIVタンパク質の働きによって不活化され、体内では事実上Restriction factorとしての機能が抑制されている。このような、ウイルスによる細胞内免疫応答の不活化機構は、HIV以外のウイルスについても近年次々に発見されているが、HBVについての知見は少なかった。本課題ではRestriction factorの一つであるTetherinに着目し、HBVに対する抗ウイルス活性を検討した。まず、ヒト成熟肝細胞にIFN処理したところ、Tetherinがよく発現誘導されるにも関わらず、その抗HBV活性は極めて低かった。そこで我々はHBVタンパク質にもTetherinを拮抗する機構があると推測し、各HBVタンパク質とTetherinの相互作用について検討した。その結果、HBVの外套タンパク質であるHBsがTetherinと互いの膜貫通領域内で相互作用することが分かった。次に、HBsがTetherinの機能や発現量を負に調節する可能性について検討した。その結果、Tetherinは通常二量体として機能するが、HBs存在下では主に単量体として存在することが分かった。実際、二量体形成できないTetherinは抗HBV活性を失ったことから、HBsはTetherinの二量体化を阻害することで、Tetherinを不活化する可能性が示唆された。そこでTetherinの膜貫通領域をトランスフェリン受容体の当該領域と置換してHBsとの結合を失わせたキメラTetherinを作成し、その抗HBV活性を調べた。肝細胞株を用いたHBV感染実験の結果、キメラTetherinは野生型よりも強力にHBV産生と感染伝播を阻害した。キメラTetherinをiPS由来成熟肝細胞に導入しHBV産生阻害能を検討したところ、この細胞ではHBV産生がほとんど起こらず、またウイルスによる細胞傷害性効果も有意に抑制された。
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[Journal Article] Cooperative Orthogonal Macromolecular Assemblies with Broad Spectrum Antiviral Activity, High Selectivity, and Resistance Mitigation2016
Author(s)
Ichiyama K, Yang C, Chandrasekaran L, Liu S, Rong L, Zhao Y, Gao S, Lee A, Ohba K, Suzuki Y, Yoshinaka Y, Shimotohno K, Miyakawa K, Ryo A, Hedrick J, Yamamoto N, Yang YY
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Journal Title
Macromolecules
Volume: 49
Pages: 2618-2629
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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