2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26860308
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中山 絵里 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (40645339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | チクングニアウイルス / レクチン / 関節炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
チクングニアウイルス感染により起こる関節炎と類似の症状を呈す関節リウマチ患者の関節組織では、C型レクチンの発現量が増加し、病態形成にレクチンの発現が関与していることが報告されている。本研究では、チクングニアウイルス感染による関節炎とC型レクチンの関連について明らかにすることを目的に研究を実施している。 今年度は野生型マウスを用いたチクングニアウイルス感染による関節炎発症マウスモデルの構築を試みた。しかし、我々の保有するウイルス株の下腿への皮下接種ではマウスは関節炎を発症しなかった。そこで、チクングニアウイルスに易感染性の免疫不全マウス(チクングニアウイルス感染により致死的症状を示すため、関節炎発症モデルとしては使用できない)または乳のみマウスでウイルスを継代することによりマウス順化チクングニアウイルスの作出を試みた。しかし、10継代後もマウス組織へのウイルスの順化は起こらなかった。また、複数の異なる系統のマウスを使用してチクングニアウイルス感染への感受性を調べたが、いずれのマウスにおいても関節炎を発症しなかった。 そこで、チクングニアウイルスの関節炎発症マウスモデルを確立したオーストラリアQIMR Bergfuher Medical Research InstituteのAndreas Suhrbier博士指導の下、マウス感染実験に関する手技を習得した。学んだ手技によりマウスに関節炎を発症させることが可能となり、現在、症状を呈したマウスより経時的に採材したサンプルの解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はチクングニアウイルス感染による関節炎発症マウスモデル構築を目的に研究を実施した。先行研究に習い、野生型マウスにチクングニアウイルスを皮下接種することで関節炎を発症させることが可能と考えていたが、ウイルスの増殖法、接種部位の検討等に時間を要したため、当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
関節炎を発症したマウスより経時的に採材したサンプルについて解析を行う。当初の計画では異なるウイルス株を接種し、関節炎を発症したマウスの組織標本を使用して、レクチン発現細胞の分布、発現量を比較解析する予定であった。しかし、組織染色に適した抗マウスレクチン抗体が入手できないことから、計画を変更し、炎症部位より採取した遺伝子を用いて次世代シークエンサーによるレクチン遺伝子の発現量解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが平成28年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。平成27年度分についてはほぼ使用済みである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Chikungunya fever in Japan imported from the Caribbean islands.2016
Author(s)
Imai K, Nakayama E, Maeda T, Mikita K, Kobayashi Y, Mitarai A, Honma Y, Miyake S, Kaku K, Miyahira Y, Kawana A.
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Journal Title
Jpn J Infect Dis.
Volume: 69
Pages: 151-3
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] In vitro growth, pathogenicity and serological characteristics of the Japanese encephalitis virus genotype V Muar strain.2015
Author(s)
3.Tajima S, Yagasaki K, Kotaki A, Tomikawa T, Nakayama E, Moi ML, Lim CK, Saijo M, Kurane I, Takasaki T.
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Journal Title
J Gen Virol.
Volume: 96
Pages: 2661-2669
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Seroepidemiological Prevalence of Multiple Species of Filoviruses in Fruit Bats (Eidolon helvum) Migrating in Africa.2015
Author(s)
4.Ogawa H, Miyamoto H, Nakayama E, Yoshida R, Nakamura I, Sawa H, Ishii A, Thomas Y, Nakagawa E, Matsuno K, Kajihara M, Maruyama J, Nao N, Muramatsu M, Kuroda M, Simulundu E, Changula K, Hang'ombe B, Namangala B, Nambota A, Katampi J, Igarashi M, Ito K, Feldmann H, Sugimoto C, Moonga L, Mweene A, Takada A.
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Journal Title
J Infect Dis.
Volume: 212 (suppl 2)
Pages: S101-S108
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Complete nucleotide sequences of two groups of autochthonous DENV-1 strains in Japan, 2014.2015
Author(s)
Tajima S, Tomikawa T, Nakayama E, Kotaki A, Moi ML, Ikeda M, Yagasaki K, Saito Y, Shibasaki K, Saijo M, Takasaki T.
Organizer
第63回日本ウイルス学会学術集会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2015-11-22 – 2015-11-24
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