2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the mechanisms underlying maintaining of intestinal CX3CR1high macrophages homeostasis
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26860330
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
香山 尚子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40548814)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 粘膜免疫 / 自然免疫細胞 / 腸管炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管粘膜固有層特異的に局在し、腸管炎症を抑制する機能を持つ自然免疫細胞:CX3CR1high制御性ミエロイド細胞の分化機構を明らかにするため、腸管自然免疫細胞においてCX3CR1high制御性ミエロイド細胞特異的に発現する転写因子Spi-Cの機能解析を行った。ミエロイド細胞特異的にSpi-Cを欠損させた(Lys-M-cre; Spi-Cff)マウスは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性腸炎に対し高い感受性を示すことが明らかになった。自然免疫細胞に発現するSpi-C依存的な腸管炎症抑制機構を明らかにするため、コントロールおよびLys-M-cre; Spi-Cffマウスの骨髄細胞から誘導したマクロファージをLPS刺激したのち、RNA-seq解析を行った。その結果、Spi-C欠損細胞では、IL-6や IL-1aといった転写因子NF-kBp65およびIRF-5依存的遺伝子の発現が顕著に上昇することが示された。また、HEK293細胞にSpi-C、IRF-5, NF-kBp65を発現させ、各分子の結合を調べた結果、Spi-CがIRF-5に結合することにより、NF-kBp65/IRF-5複合体の形成を阻害することが示された。大腸粘膜固有層からCX3CR1high制御性ミエロイド細胞を回収し炎症性サイトカイン産生を解析した結果、コントロール細胞に比べ、Spi-C欠損CX3CR1high制御性ミエロイド細胞では、IL-6およびIL-1aの産生が上昇する一方、TNF-aの産生は正常であることが示された。さらに、DSS腸炎を誘導したLys-M-cre; Spi-Cffマウスでは、IL-6の産生亢進およびTh17細胞の増加が示された。これらの結果より、転写因子Spi-CによるIRF-5依存的遺伝子の発現抑制が腸管炎症抑制に機能することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)