2015 Fiscal Year Research-status Report
制御性T細胞と自己反応性T細胞による自己免疫疾患発症機序の解明
Project/Area Number |
26860331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 淳 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (00724105)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / 制御性T細胞 / 免疫自己寛容 / ZAP-70 / TCRシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、制御性T細胞と自己反応性T細胞の不均衡による自己免疫疾患の発症機序とその分子基盤の解明を目的としている。特に、T細胞シグナルを段階的に制御できるマウスモデルを用いて、制御性T細胞と自己反応性T細胞の産生の偏移および末梢での抑制・活性化機能を連続的に解析し、それらのマウスで自己免疫性関節炎をはじめとしたT細胞性自己免疫疾患の発症頻度、疾患感受性、遺伝的浸透度の関係を明らかにしていく。本年度は、T細胞レセプター(T Cell Receptor、以下TCRと略)シグナルに不可欠なZAP-70分子の機能あるいは発現を段階的に制御できるマウスモデルにおいて、ZAP-70分子の量的・質的変化により自己免疫疾患を自然発症するT細胞シグナル領域、また、それに伴う胸腺でのTCRレパトアの偏倚、および制御性T細胞産生の解析を行った。さらに、これらのZAP-70変異ノックインマウスやTet-on ZAP-70トランスジェニックマウスを、TCRトランスジェニックマウス、およびTCR認識抗原トランスジェニックマウスと交配し、抗原刺激によるシグナルを均一化したマウスにおいて、制御性T細胞と自己反応性T細胞産生について比較解析を行い、両者の産生にはTCRシグナル減弱に対する感受性の差異が認められた。この実験系では、ZAP-70の発現量、構造変異の程度に応じて、免疫不全と自己免疫病を同じスペクトラム上の疾患として誘導できることから、本年度の結果に基づいて、TCRシグナルの減弱と特定の自己免疫病の発症感受性との関係についての解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ZAP-70マウスモデルにおける自己免疫疾患について、研究計画通りにTregと自己反応性T細胞の解析を遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
ZAP-70マウスモデルを用い、自己免疫疾患発症前後のT細胞活性化状態、増殖応答、サイトカイン産生の解析を進める。また、Tregと自己反応性T細胞の不均衡と、疾患感受性や遺伝的変異の浸透度を比較し検証する。
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Causes of Carryover |
研究実施計画にあるマウスモデルの確立が効率的に進んだため、解析や検証に必要な試薬等の使用時期や消費期限等を考慮し、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実施計画にある解析に必要な試薬等の経費を、実施時期に合わせ使用する。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] “Autoimmune range of T cell receptor signaling”2015
Author(s)
Atsushi Tanaka, Shinji Maeda, Takashi Nomura, Satoshi Tanaka, Lin Jin, Shuji Akizuki, Rose Zamoyska, Daron M Standley, Noriko Sakaguchi, Shimon Sakaguchi
Organizer
Keystone symposia T Cells: Regulation and Effector Function
Place of Presentation
米国ユタ州 Snowbird
Year and Date
2015-04-01
Int'l Joint Research