2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on compassionate use program from a quality management perspective
Project/Area Number |
26860353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮路 天平 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70709568)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンパッショネート・ユース制度 / CU制度 / 未承認薬 / カンナビノイド / 医療用大麻 / 品質管理 / 品質マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
コンパッショネート・ユース制度(CU制度)とは、重篤な疾患の患者や既承認の代替薬がない患者の救済を目的として、公的に未承認薬にアクセスできる制度の総称である。狭義では、治験後から薬事承認までの審査期間に未承認薬にアクセスできる制度として認識されており、本邦でも「拡大治験」として運用がなされている。一方、米国では規制物質法のスケジュールIに指定されている指定植物に対する医療的アクセスも、CU制度として運用してきた歴史がありCU制度は広い概念として捉える事ができる。本研究では、米国における医薬大麻のCU制度の運用状況を事例研究の対象とし、特に品質マネジメント体制の調査を実施した。米国においては、FDAの制度として1976年に医療大麻のCU制度が開始されたが、1990年代後半以降は、州法によるCU制度が広がり、2017年3月時点では、28州とコロンビア特別区で運用がなされていた。州法によるCU制度では、対象疾患やアクセス方法などが州によって異なる点も存在していた。品質マネジメント体制については、患者団体であるAmericans for Safe Accessが中心となりAmerican Herbal Products AssociationとAmerican Herbal Pharmacopoeia の協力のもと、「Patient Focused Certification」として、医療用大麻の栽培、製造、成分分析、流通に携わる事業者に対しての第三者認証制度を構築し、全米で運用を開始していた。同時に監査官や行政官向けのプログラムガイドの提供や医療従事者向けの教育プログラム「Cannabis Care Certification」を展開しており、CU制度の運用に関わるすべてのステークホルダーに対しての品質マネジメントの取り組みが患者団体より率先してなされている状況であった。
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