2014 Fiscal Year Research-status Report
新規PDGFRα転写産物を指標とした多発性骨髄腫に普遍的なバイオマーカーの開発
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26860361
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
湊 雄介 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00710245)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / PDGFRa |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性骨髄腫では完全奏功の判定が困難であり、有用な微小残存病変をとらえる手法の開発が求められている。本研究の目的は、多発性骨髄腫に特異的に発現する血小板由来増殖因子受容体α転写産物を同定することで、より高感度かつ普遍的に微小残存病変の捕捉を試みることである。 まず、10の多発性骨髄腫細胞株を用いてRACE法によりPDGFRα転写産物の末端構造を調べた。その結果、既知のPDGFRα intron 1領域内に存在する5つの新しいfirst exonを同定した。また、exon 3内に5'末端を持つ転写産物の存在を見出した。さらに、intron 14の配列を3'末端に持つ転写産物があることがわかった。 新たに見出したfirst exonやintron 14の配列にprimerを設計しRT-PCRを行ったところ、1つの細胞株の中に複数のPDGFRα転写産物が発現していることがわかった。また、これらの転写産物はPDGFRαを発現している骨肉腫細胞株HuO9でも検出された。 exon 3内に5'末端を持つ転写産物についてはPCRによる解析ができず、次世代シーケンサーやnorthern blotによる解析も非常に困難である。そこでsequence specific captureによる解析を試みたが、うまくいかなかった。 現在はアプローチを変えて、複数の転写産物に共通していると思われる部分をエピトープとする抗体を用い、western blotにより多発性骨髄腫に特異的な翻訳産物が検出できるか検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多発性骨髄腫に特異的な転写産物の同定には至っていないものの、PDGFRα遺伝子の新しい構造を複数見出しており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な抗体を用いてwestern blotにより多発性骨髄腫に特異的なPDGFRα翻訳産物の探索を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究経過上、PCRベースの実験が多くなり、細胞培養やタンパク質解析を予定よりも多く行う必要がなかったため、経費が抑えられた。 また、本研究の遂行にあたり用いるキットやsequence specific captureに用いたprobe、抗体などの多くが発注から納品までに1ヶ月前後と非常に時間を要しており、年度をまたいで納品されるものもあるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
PCRベースの実験がほぼ終了し、これから細胞培養やタンパク実験を多く行っていくため、これらに必要な細胞培養器具、培地や抗体などの物品を購入させていただく予定である。
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Research Products
(16 results)