2014 Fiscal Year Research-status Report
不規則抗体が関与する遅発性溶血性輸血副作用の解明―前方向多施設共同研究の推進―
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26860366
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤原 晴美 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (50643350)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 遅発性溶血性輸血副作用 / 不規則抗体 / 前方向多施設共同研究 / 輸血 |
Outline of Annual Research Achievements |
赤血球不規則抗体は、遅発性溶血性輸血副作用(Delated hemolytic transfusion reaction:DHTR)を引き起こす。このDHTRは、死に至る重篤な反応も報告されている。安全な輸血療法を患者に提供する上で、不規則抗体の情報およびDHTRの交絡因子をより詳細に研究することは輸血療法において大きな課題となっている。現在、不規則抗体研究はretrospectiveな多施設共同研究が実施されているが、retrospectiveではDHTRの発生率の正確な把握、予知や予防法を確立することが難しい。 そこで現在、DHTRのprospectiveな多施設共同研究で発生する問題点の抽出と解決方法についてpilot研究を実施している。初年度は計画に沿って次の研究を実施した。 1.研究要項(プロトコール)の作成 2.輸血部門技師によるインフォームド・コンセント(IC)取得の介入と有用性、問題点の抽出:本研究を遂行する上で、症例登録時にICの取得が必要となる。今後、大規模共同研究を実施する際、数千を超える症例登録が予想される。このため、医師だけではなく各施設の輸血部門技師の協力も必要となる。本施設では、輸血前に輸血部門技師による輸血説明を実施している。従って、輸血部門技師がIC取得に関わる有用性、医師と比較し説明の質に低下が有るか否かについて検討を行った。 3.院内ヘモビジランスの評価:輸血開始前、実施中、輸血後には、医師や看護師が患者を観察しなければならない。さらに輸血副作用発生時には、臨床から輸血部門へ報告する必要がある。DHTR発生時も、輸血部門は患者に認められる症状を正確に把握しなければならない。このため、ITシステムを導入し、院内ヘモビジランス体制を評価し、輸血副作用の報告率上昇に対する検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロトコールを作成したが、多施設共同研究の実施を想定する上で問題が2点浮上した。 まず、IC取得時に輸血部門技師の介入が予想される。このため、輸血部門技師と医師の説明について比較検討が必要となった。さらに、DHTR発生時に臨床側は患者の異変に気付き、輸血部門に報告できる体制が必要である。このため、院内ヘモビジランス体制の把握と問題点の抽出が必要となった。 現在、この2点の検討は終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.倫理委員会からプロトコールの承認を得る。 2.該当患者に本研究の目的と意義に関して十分に説明し、研究への同意を文書で得た上で症例登録を行う。 3.RBC輸血前に不規則抗体スクリーニング検査を実施し、検査結果をもとに下記のように陰性および陽性に振り分け、追跡調査を行う。【3.-1 不規則抗体陰性症例:症例の登録】初回検査で不規則抗体が陰性であった症例は、各項目を調査表に記入し研究申請者に提出する。研究申請者は内容を確認する。問題点や疑問点に関しては、問い合わせを行い、基準を満たしていることを確認の上、症例を登録する。【免疫学的因子の調査】輸血や母子間免疫、疾患や免疫抑制、移植等暴露の因子を追跡する。陽転化症例では、抗体が陽転化するまでの期間、輸血量、母子間免疫に関わるイベント、移植歴を調査する。【交絡因子の調査】調査項目は性別、疾患、年齢、輸血治療歴の有無、妊娠歴の有無とする。【3.-2 不規則抗体陽性症例】初回検査で不規則抗体が陽性であった症例は、各項目を調査表に記入し提出する。確認内容は、不規則抗体陰性症例と同様とする。陽性から陰性化する症例、免疫学的因子の暴露による新規抗体の産生症例について、経時的な追跡調査を行う。併せて上記に示した免疫学的因子、不規則抗体の調査、交絡因子について調査を行う。 4.不規則抗体が陽転化した症例のDHTR、DSTRについて調査する。調査項目は、輸血前後の検体による不規則抗体検査と交差適合試験、不規則抗体の同定、直接抗グロブリン試験、抗体解離試験、抗体価、不規則抗体検出までに輸血したRBCの抗原確認と輸血量、溶血所見、交絡因子とする。
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Causes of Carryover |
プロトコール作成後、多施設共同研究の実施を想定する上で問題が浮上した。 この検討が必要となったため、実験機器や試薬、検査費、患者への配布資料や印刷費が不要となり次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究に必要な設備備品は既に整備されている。研究費は試薬、試験管やスライドガラスなどの実験機器、外注検査費、患者への配布資料の作成費に充てる計画である。また、研究成果発表のための論文作成、新規情報収集のための学会参加、書籍の購入にも研究費を使用する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] 採血患者誤認を契機とした検体照合システムの導入と技師の病棟採血への参加-臨床側との連携をめざして-2014
Author(s)
永井聖也, 山田千亜希, 藤原晴美, 渡邊弘子, 金子誠, 芝田大樹, 古牧宏啓, 石塚恵子, 清水大輔, 安達美和, 竹下明裕
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Journal Title
臨床病理
Volume: 62
Pages: 749-754
Peer Reviewed
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[Presentation] Timely monitoring including of hematological tests on the spot and intervention of transfusion unit decrease perioperative and postoperative bleeding2014
Author(s)
Chiaki Yamada, Hiroaki Furumaki, Harumi Fujihara, Hiroki Shibata, Seiya Nagai, Keiko Ishizuka, Mariko Tsuzuki, Makoto Kaneko, Hiroko Watanabe, Miwa Adachi, Akihiro Takeshita
Organizer
2014 AABB annual meeting
Place of Presentation
Philadelphia, US
Year and Date
2014-10-25
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[Presentation] The image monitoring of operating rooms improves practices in transfusion medicine; recent result2014
Author(s)
Hiroaki Furumaki, Chiaki Yamada, Hiroko Watanabe, Harumi Fujihara, Hiroki Shibata, Seiya Nagai, Keiko Ishizuka, Makoto Kaneko, Shimizu Daisuke, Miwa Adachi, Akihiro Takeshita
Organizer
33rd International Congress of the International Society of Blood Transfusion
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
2014-06-04
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[Presentation] 輸血部門によるインフォームド・コンセント取得への関わりとその有用性2014
Author(s)
古牧宏啓, 山田千亜希, 藤原晴美, 渡邊弘子, 金子誠, 芝田大樹, 永井聖也, 石塚恵子, 都築茉里子, 清水大輔, 安達美和, 竹下明裕
Organizer
第62回 日本輸血・細胞治療学会 総会
Place of Presentation
奈良市(奈良県文化会館・奈良県新公会堂・東大寺総合文化センター)
Year and Date
2014-05-15
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