2014 Fiscal Year Research-status Report
移植片対宿主病における特異的バイオマーカーとしての血清miRNAと免疫機構の解明
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26860373
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
吉澤 成一郎 東京医科大学, 医学部, 助教 (70421063)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移植片対宿主病 / miRNA / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
同種造血幹細胞移植患者に特有の合併症である移植片対宿主病(GVHD)は移植片の宿主に対する免疫反応であるが、特異的な客観的マーカーは見出されていない。よって、本研究では、GVHD発症前後の患者血清を用いて、GVHD発症に関わる血清中miRNA(特にエクソソームに含有されたタイプのmiRNA)の発現プロファイルを解析し、GVHDの発症予測、治療効果判定や重症度判定への臨床応用を目的とした。初年度(平成26年度)では、同種移植後のGVHD発症および非発症患者の血漿を用いて、late on set GVHDに関わるexosomal miRNAの発現プロファイルについて解析を行った。PCR arrayを用いた網羅的な解析によって、GVHD発症に関わるexosomal miRNAの発現プロファイリングを行い、GVHD発症群と比較して、非GVHD群では、exosomal miRNAの発現パターンが異なってることを見出した。また、非GVHD群と比較して、late on set GVHD群で有意に低下するexosomal miRNAを検討した結果、5つのexosomal miRNAが候補として抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血清中miRNAの網羅的解析手法が当研究室で確立されていたことと、臨床サンプルを用いたエクソソーム解析系が樹立されていたため、当該年度の研究進捗および研究費使用状況はほぼ応募時の研究計画通りであるが、解析を行うための患者検体数が当初の計画より少ない傾向にある。 一方、次年度を見越して、in vivo(マウスモデル)実験系の構築も進みつつあり、今後の研究の発展性は見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、初年度で得られたmiRNAプロファイリングの結果から、エクソソームmiRNAとGVHD発症機構の関係性を解明するため、in vitroモデルおよびin vivoモデルの構築を行なっていく。GVHD発症患者の血清中で高発現したmiRNAが、ドナー由来T細胞を期限としているという仮説を証明するために、急性GVHDモデルマウスを用いて解析する。B6D2F1(BDF1)宿主マウス致死量の放射線を全身照射後に、GFPマウス(C57BL/6(B6)マウスを背景にもつGFPトランスジェニックマウス)由来のドナー脾細胞を移植して急性GVHDを誘発する。その後、BDF1宿主マウスから全血採取し、GFP陽性のT細胞(CD4/CD8)をセルソーターにてソーティングする。BDF1宿主マウスの体内から得られたGFP陽性T細胞はB6マウス由来であり、急性GVHDを引き起こした原因となるT細胞であると考えられる。 以上のマウスモデル構築と並行して、患者検体の採取は当初の計画の数を満たすことを目標に継続していく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に参加した学会が国内のみであったため(国際学会への出席も予定していたが、欧州情勢の悪化が目立つ時期であったため参加を断念)旅費が当初の予算額より低くなったことが理由として挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度繰越金額は5万円以下であり、次年度の研究費の使用計画における消耗品等の計画には影響はない。 次年度、最終年度において論文投稿を予定しており、英文校正費用等の論文投稿費用がかかると予想されるので、次年度繰越となった金額を補充する予定である。
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[Journal Article] Human herpesvirus 6 reactivation on the 30th day after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation can predict grade 2-4 acute graft-versus-host disease.2014
Author(s)
Gotoh M, Yoshizawa S, Katagiri S, Suguro T, Asano M, Kitahara T, Akahane D, Okabe S, Gotoh A, Tauchi T, Ito Y, Ohyashiki K
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Journal Title
Transplant Infectious Disease
Volume: 16(3)
Pages: 440-449
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A novel reduced-intensity umbilical cord blood transplantation using a recombinant G-CSF combined with high-dose Ara-C for active myeloid malignancies2014
Author(s)
Gotoh M, Yoshizawa S, Katagiri S, Suguro T, Asano M, Kitahara T, Akahane D, Okabe S, Gotoh A, Tauchi T, Ito Y, Ohyashiki K
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Journal Title
Bone Marrow Transplantation
Volume: 49(7)
Pages: 955-960
DOI
Peer Reviewed
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