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2014 Fiscal Year Research-status Report

神経障害性疼痛における糖脂質ガングリオシド組成の変化と疼痛への影響についての研究

Research Project

Project/Area Number 26860385
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

渡辺 俊  北里大学, 薬学部, 助教 (50415337)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords糖脂質 / 疼痛 / シアル酸
Outline of Annual Research Achievements

本年度はまず慢性疼痛において、内在性の糖脂質がどのように変化するか検討を行うこととした。慢性疼痛として、神経障害性疼痛と炎症性疼痛のモデルマウスを作製し、それぞれ疼痛の伝達経路である皮膚や脊髄について検討を行った。なお、神経障害性疼痛モデルとして坐骨神経部分結紮マウスを、炎症性疼痛モデルマウスとして完全フロイントアジュバントを足底皮下に投与したマウスを用いた。疼痛の伝達経路である皮膚や脊髄の各臓器からクロロホルム/メタノール混液中で脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーにより糖脂質量について解析を行った。偽手術マウスや健常マウスと比較したところ、炎症性疼痛モデルの皮膚などにおいて糖脂質組成が変化したが、どのような糖脂質であるかは現在詳細に解析中である。また、神経障害性疼痛モデルについても解析中である。
一方、糖脂質の一種ガングリオシドはシアル酸を含有する糖脂質であり、足底皮下投与によりホルマリンに対する痛みを増強させることが申請者らのこれまでの研究で明らかとなっている。そこで、シアル酸分解酵素の疼痛への影響について検討を行った。炎症性疼痛モデルにおいては、通常痛みと感じない程度の機械的刺激を痛みとして認知する、アロディニアという現象が生じる。そこで、シアル酸分解酵素を皮下へ投与したところ、機械的アロディニアは減少した。さらに、ガングリオシドを健常動物の足底へ皮下投与することでも機械的アロディニアが生じた。以上から、少なくとも疼痛の出発点である皮膚においては炎症性疼痛が生じることにより糖脂質組成の変化が引き起こされること、およびシアル酸含有物質が機械的アロディニアに重要であることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度中にsiRNAの実験系を立ち上げる予定であったが、疼痛伝達系には皮膚や脊髄など多様な組織が含まれるため、可能ならば細胞、組織に特異的にノックダウンを行うことが望ましい。また、導入効率が不十分な点などの問題もあるため、ウィルスベクターを用いた方法に変更することとした。そこで、新たな実験系が必要となったため、ベクター構築、導入方法などの基礎的な検討から行う予定である。また、ガングリオシド合成系に関わる酵素活性測定などは現在行っているが、十分な例数が得られていないため、今後も検討を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

上記の結果から、次年度は変化の生じた糖脂質に関係する分解酵素の投与や合成酵素の阻害、ノックダウン、あるいは脂質そのものを脊髄や坐骨神経、皮下などの組織へ投与することにより疼痛にどのような影響が生じるか検討を行う。その場合組織学的な手法によりどのような細胞が変化するか、特に脊髄におけるアストロサイトやミクログリアの形態について検討を行う。また、以前の研究の成果から足底皮下においてガングリオシドの投与によりグルタミン酸含量が変化することが明らかとなっているので、痛みが引き起こされた際、シアル酸分解酵素の投与によりグルタミン酸などの発痛物質がどのように変化するか解析を行う。

Causes of Carryover

残金が少額であるので、効率的に使用するために次年度と合わせて使用する予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度予算と合わせ、試薬・機器・旅費などに使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 疼痛に関与する糖脂質2015

    • Author(s)
      渡辺 俊、 田辺 光男
    • Organizer
      第88回日本薬理学会年会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • Year and Date
      2015-03-18 – 2015-03-20
  • [Presentation] 糖脂質ガングリオシドによる痛覚過敏の惹起2014

    • Author(s)
      渡辺 俊、東 秀好、田辺 光男
    • Organizer
      第36回日本疼痛学会
    • Place of Presentation
      KKRホテル大阪(大阪府大阪市)
    • Year and Date
      2014-06-20 – 2014-06-21

URL: 

Published: 2016-06-01  

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