2015 Fiscal Year Annual Research Report
Invivo及びInvitro記録法を用いたボツリヌス毒素の鎮痛作用機序の解明
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26860390
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
申 敏哲 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (70596452)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ボツリヌス毒素 / 鎮痛効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボツリヌス毒素は臨床において多く用いられており、その作用として関節の拘縮や筋強直に対する作用などがあるが、1994年にScottによってボツリヌス毒素が斜視の治療に始めて応用されるや,世界各国でジストニア等の治療薬として使 用されるようになった。最近の臨床報告によると、運動神経系に対する作用のみでなく感覚神経系に対する作用、特に慢性疼痛の鎮痛作用を有することが報告され、慢性疼痛の鎮痛薬としての役割が注目されている。しかし、その鎮痛作用が末梢神経系に対するものか、中枢神経系に対する作用であるかは未だ明らかではない。作用機序を明確にするために、 従来のBOTOXと新規に開発したA2NTXを投与した7日後のラットから後根付き神経節標本を作成し細胞内記録を行った。その結果、AδおよびC線維の伝導速度が緩徐化されている事が見いだした。また、慢性炎症モデルラット(CFA投与)を用いて、BOTOX又はA2NTXの中枢神経系に対する効果の検討した。 (また、c-fosの場合CFA炎症モデルラットが生理食塩水注入群より増加し、その増加はBOTOX又はA2NTX投与群では抑制された。CFAによる浮腫の程度に対しても検討したが、BOTOXとA2NTXともに無効であった。これらのことから、A型ボツリヌス毒素は末梢での抗炎症作用はなく、中枢での抗侵害作用のみを有しており,それはAδおよびC神経線維に作用した可能性が示唆された。
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Remarks |
実験アドバイザーである共同研究者の怪我(頚髄不全損傷)で実験とまとめが遅くなった。したがって学会発表は、今年のneuroscience2016で発表予定であったが、地震によるAbstract登録ができなくなり、来年のneuorscience学会で発表する予定である。また、4月の終わりに投稿準備中だった原稿が地震によるパソコンデータの損傷で、投稿が遅れている。今年中に論文投稿を行う予定である。
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Research Products
(1 results)