2014 Fiscal Year Research-status Report
強度変調放射線治療における低エネルギー散乱成分の生物学的効果の影響
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26860411
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
岡本 裕之 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院, 医学物理士 (90595729)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロドシメトリ / 小線源治療 / 生物学的効果 / 低エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、生物学的モデルを通して各線質,高線量率場、様々な照射条件下の生物学的効果について評価することを目的としている。そのためにはモンテカルロシミュレーションによる線質の計算、および生物学的モデルの構築が必要となる。当該年度においては、低エネルギー光子を放出する小線源治療においても注目し、各エネルギーごとにおける線質と生物学的効果について評価を行った。その結果臨床において利用される永久刺入小線源ヨード125においては28 keVという非常に低いエネルギー光子を放出し、コバルト基準で考えた場合に10%近くの生物学的効果が増加するということがわかった。また今後細胞照射を行う場合の使用機器としては線量率 1000 cGy/minのCyberKnife (Accuray)、線量率 2400 cGy/minのTrueBeam (Varian medical systems)を考えている。CyberKnifeにおいては特に照射精度が治療効果に影響を与えるということで当該年度においては照射精度についても評価した。これに関しては、治療のログ情報から照射位置を計算し、長期的な照射精度について分析した。現在、論文を作成し、Journal of Applied Clinical Medical Physicsに投稿した。この照射精度を把握することにより、細胞照射を行う際の線量分布の把握を行うことを目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞照射を実施したが再現性などの評価を行うため繰り返し照射が行えていない状況である。そこで、現在は照射位置などのを解析する物理的な検証や線量分布測定を中心に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は高線量率モードおよび線量分布が不均一な場で照射を行い細胞の生存率の評価を行う予定である。使用機器としては、当院にあるTrueBeam (Varian medical system)そしてcyberknife (Accuray, Inc.)を使用する予定である。またCyberKnifeにおいては照射精度についても評価を行い、生物学的評価により照射精度との関係性について評価を行う。当該研究にも記載されている通り,小線源治療で用いられる核種においても線質評価を行う.
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Causes of Carryover |
176円の残高となりましたが,研究計画において生じた誤差範囲内です.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
176円の残高であることから使用計画として明確にできず,次年度の使用額に追加する形で使用する予定です.
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