2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the relationship between disaster and maternal health
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26860412
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石黒 真美 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (10632242)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
三世代コホート調査に参加した妊婦のうち、分娩時のカルテ情報まで得られた4,426人において、東日本大震災時に居住していた家屋の損壊の規模と産科合併症との関連を検討した。妊婦を「全壊・大規模損壊」、「半壊・一部損壊」、「損壊なし」の三群に分けたところ、それぞれ489人(11.0%)、1,706人(38.5%)、2,231人(50.4%)であった。それぞれの群で産科合併症を呈した割合は217人(44.4%)、709人(41.6%)、897人(40.7%)であった(P=0.2)。しかしながら、疾患毎の単変量解析においては、切迫早産に統計学的有意差が認められた(「全壊・大規模損壊」16.4%、「半壊・一部損壊」15.0%、「損壊なし」12.5%、P=0.02)。多変量解析において切迫早産の要因を考慮した結果も同様に「全壊・大規模損壊」や「半壊・一部損壊」で「損壊なし」と比較してオッズ比がそれぞれ1.40、1.24であった。妊娠高血圧症候群は単変量解析にて統計学的有意差は認められなかった(P=0.1)。 また、エコチル調査の参加妊婦を震災の被害が大きかった宮城・福島県居住者とそれ以外の者に分け、一般女性のカットオフ値を基準とした総コレステロール(>219 mg/dL)とタンパク質(<6.7 g/dL)で多変量解析をした。宮城・福島県居住者では、それ以外の県の居住者と比較して総コレステロール値の上限基準を上回る割合が有意に高く(オッズ比:1.25)、総蛋白値の下限基準を下回る割合が有意に低かった(オッズ比:1.18)。
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Research Products
(1 results)