2015 Fiscal Year Research-status Report
神戸市母子保健データを用いたう歯予防に関する疫学研究
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26860415
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 司朗 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60522406)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | う歯 / 受動喫煙 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、母子保健事業データを二次了した疫学研究を通じて、(1)口腔ケア・生活習慣・胎内環境と虫歯(う歯)発生との関連を調べ、(2)寄与割合という疫学指標によりう歯発生への寄与が大きい因子を特定し、(3)研究成果を、適切な予防政策の決定・実施を通じて市民・地域へ還元する政策決定モデルを構築することである。平成27年度には、平成26年度に作成し倫理審査を受けた研究実施計画書に従って、神戸市より電子化・連結不可能匿名化された母子健診データを入手し、統計解析を行った。妊娠高血圧症候群、妊娠時喫煙、在胎週数、多胎、出生体重、離乳食開始月齢、歯磨き・仕上げ磨き、菓子類摂取、フッ化物塗布、受動喫煙などのリスク因子とう歯発生率の関連を包括的に検討したところ、新しい知見として受動喫煙とう歯発生率との関連が見だされた。そこでこの関連が因果関係を示唆するものなのかを確かめるために、プロペンシティスコア解析といくつかの感度解析を実施した。この解析結果は、学術雑誌・学会などで公表した。また、成果還元のため、神戸市職員・神戸市歯科医師会との情報交換会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初の計画では、平成27~28年度には、結果の公表を行い、並行して神戸市母子保健事業担当者と共に、研究成果の市民への有効な還元方法の模索や、健康政策への反映について議論する予定であった。平成27年度の実績として、(1)学術雑誌・学会での公表、(2)神戸市職員・神戸市歯科医師会との情報交換会を通じた成果の還元までを達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠高血圧症候群、妊娠時喫煙、在胎週数、多胎、出生体重、離乳食開始月齢、歯磨き・仕上げ磨き、菓子類摂取、フッ化物塗布などの受動喫煙以外のリスク因子とう歯発生率の関連について統計解析を進める。
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Causes of Carryover |
学術論文の英文校正費用を複数回分見積もっていたが、当該年度は1回のみ使用したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度に引き続き学術論文を公表する予定であるため、そのための英文校正費用として使用する。
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