2015 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者におけるポジティブ感情の予防医学的効果の検討
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26860425
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
広崎 真弓 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70586304)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 笑い / 健康教室 / ヘモグロビンA1c / ポジティブ感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域在住高齢者を対象にポジティブ感情の予防医学的効果を検証することである。 関西の地域在住高齢者を対象とした笑いを用いた3か月間の健康教室(笑いヨガの実施や落語鑑賞など)の結果、健康教室参加群ではコントロール群に比べて、参加期間の前後で糖尿病の指標となるヘモグロビンA1cの値が有意に低下していることが示された。また、ポジティブ感情や睡眠時間についても参加群では増加が見られ、笑いを取り入れた健康教室の心身の健康に対する効果が示唆された。本結果については、参加者に対する結果説明会を実施し、さらにフォローアップ教室も開始した。 笑いヨガは笑い声を出す体操のようなもので、特別な道具などなく誰もが気軽に始めることができ日常生活にも取り入れやすい。そのため、健康教室としても実施しやすく普及もしやすいことが予想される。また、健康教室の参加継続には楽しみの要素が必要であるといわれているが、笑いを用いることによって楽しく参加しやすいものになる。本研究で笑いヨガの効果が示されることによって、実施しやすい新たな健康教室の可能性が広がり、社会的な意義が大きいと考えられる。同様の健康教室を福島県でも始めており、今後地域に関係なく笑いヨガの健康効果が見られるかどうかについても検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関西地域にて実施した笑いを用いた健康教室について、解析を行いその効果を確認することができたこと、結果説明会やそのフォローアップ教室を実施したこと、福島県でも健康教室を開始できたこと、地域住民に対する質問調査結果の解析が進んでいることなどから、おおむね順調に進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
福島県における健康教室を進めてその解析を行い、参加者に対する結果説明会を実施する。また、地域住民に対する質問調査結果の解析を終了し、笑いの頻度とその関連要因に関する知見および笑いの頻度とその後の健康状態との関連について、学会・論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
福島県での健康教室参加者が当初の予定より少なく、測定キットの購入が少なかったためと、論文の英文校正が4月以降になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
健康教室や結果説明会の実施に関する経費および論文発表のための英文校正費用などとして使用する予定である。
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Research Products
(3 results)