2015 Fiscal Year Research-status Report
胃がん患者の予後に関与する生活習慣および心理・社会的要因の探索
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26860430
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
尾瀬 功 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 研究員 (00584509)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がんサバイバー / 胃がん / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃がん罹患者の増加と検診や治療の進歩により胃がんサバイバーが増加し、長期生存例も増えている。しかし、がん罹患後に望ましい生活習慣等のエビデンスは乏しい。それだけでなく、診断後の時間経過により胃がんサバイバーの生活習慣・心理・社会的要因がどう変化するかというデータも乏しい。そのため、平成27年1月よりコホート研究を開始した。本研究の意義は、日本の胃がんサバイバーの現状を明らかにすると共に、予後との関連を検討することにより、胃がんサバイバーに推奨するべき生活習慣等を明らかにできるところにある。 愛知県がんセンター中央病院を受診する胃がん患者のうち、がん治療歴や他のがんの既往がない20歳から79歳までの者を対象とした。平成27年度は前年度に引き続いて新たな研究対象者のスクリーニングおよびそれら対象者へのベースライン調査として血液検体の採取と質問票による生活習慣等の情報の収集を行った。さらに、平成27年4月より研究同意3ヶ月後の血液検体の採取を開始。平成28年1月からは同意から1年経過した研究参加者の予後調査、生活習慣等の追跡調査、血液検体の採取を開始した。調査と平行して、1年後追跡調査データの入力システムなど、データベースの拡充を行った。 平成28年3月末日の時点で累計140人から研究参加の同意を得ている。このうち、131人よりベースライン調査の質問票を回収した。研究参加者のうち89%から採血の同意も得た。収集した血液検体はバフィーコート、血清、血漿、赤血球に分離して-80度で冷凍保存している。この採取した血液検体よりピロリ菌感染、ペプシノゲン測定による萎縮性胃炎の測定を行っている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象者にインフォームドコンセントを行った際の同意率が71%であり、概ね当初の予想通りに参加者が増えている。また、平成28年1月から追跡調査を開始したが、追跡調査も大きなトラブル無く進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新たな研究対象者のリクルートを継続し、研究対象者を増加させる。また、追跡調査や予後調査についても当初の計画通り実行してゆく。これまでのベースライン調査の結果を用いて、胃がんサバイバーが、がんと診断される前の生活習慣や社会経済学的要因、心理要因についての集計を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度は新規対象者のリクルートや調査にほとんどのエフォートを費やしていたため、研究補助員などの人件費を節約することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定通りベースライン調査、追跡調査の経費として使用する。また、データ整理および臨床情報の収集のため、研究補助員を雇用する。 さらに天災などの不測の事態への対処として、研究参加者の同意書や質問票などの研究資料の電子化を行う。またそれらの電子化データを通常のバックアップとは別に保管するようにする。
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