2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の熱中症発生における社会経済的生活環境要因の寄与
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26860435
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清野 薫子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10508336)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱中症 / 気候変動 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の熱中症について、全国の都道府県単位の救急搬送者数(2008-2013年)および、都市域53区市町村地域における夏季熱中患者の事例(2005-2013年)の分析を行った。都市域の高齢者の熱中症発生9119事例について、発生地域における該当時間帯の気温および湿度、年齢・性別、地域指標(居住環境・土地利用指標、社会経済指標、保健医療指標、地域活動関連指標)との関連を分析した。地域活動関連指標作成にあたっては、地域自治体における熱中症予防活動、高齢者の見守りボランティア活動、ヒートアイランド低減活動等について聞き取り調査を実施し、指標の抽出を行った。地域指標については、以下を用いた。 居住環境土地利用[人口密度、土地面積割合(宅地、森林、道路、河川水路、公園等、農地)、高齢者人口割合、高齢者独居割合、高齢者世帯割合、住宅種類]、社会経済指標[所得、財政力指標、実質収支比率、1人あたり歳入決算総額、一般財源、地方財源、生活保護費保護者実世帯割合、第1次・2次・3次産業就業割合、年齢階級別最終学歴人口割合、世帯あたり家賃・光熱費・設備費]、保健医療指標[人口当たり医師数、病院一般診療所数、医療機関までの距離(区分別)、人口あたり受療率、健康診断受診率]、地域活動指標[1人あたり民生費・社会福祉費、ボランティア登録者数、地域活動(健康づくり、ボランティア活動、祭事)参加率]。 気温変動による健康影響の大きさが懸念される都市居住高齢者について、年齢、発生時間帯の気温、病歴割合、地域関連指標との関連を分析し、地域の土地利用住環境、社会経済、地域の活動の寄与について検証した。高齢者の熱中症発生、重症化の予防において、高齢者個人の予防対処行動に加えて、地域の特性、資源をふまえて予防活動の寄与が示唆された。
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