2015 Fiscal Year Research-status Report
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26860439
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山内 常生 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00597297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 職業性ストレス / 食事 / 飲酒 / 摂食障害 / 過食症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、企業等に勤める労働者に対して自記式質問紙票を用いたアンケート調査を行い、労働者における労働環境や職業性ストレスといった職業状況および食事及び飲酒等に関する食生活について調べる。これにより労働者の仕事環境が職業性ストレスや摂食障害等に関連する食行動異常および問題飲酒行動等にどのように影響するかを把握することを目的としている。 平成27年度は、大阪に所在する企業2社に協力を得て、アンケート調査を実施した。調査には、労働者の年齢性別、身長体重などの情報、職業および家庭背景についての質問項目、職業性ストレスを測定する職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)の57項目版、過食症傾向など摂食行動の異常についての調査票であるBulimic Inventory Test, Edinburgh(BITE)、飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)を含んだ調査票を用いた。対象となった労働者は、主にオフィスワークなどの間接系業務に従事する正社員計880名であり、424名より回答を得た(男性326名、女性90名、男女不明8名、回収率48.2%)。現在、詳細な解析を行っているところであるが、過食症が疑われるBITE得点が20点以上の労働者の割合は、全体の1.42%であり、男性の1.23%に比べ女性は2.2%と割合が多く認められた。また、アルコール依存症が疑われるAUDIT得点20点以上の労働者は全体の7.31%を占め、女性ではいなかったのに対して男性では9.5%にものぼることが明らかになった。今後は職業性ストレス状況との関連について解析をすすめてゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた調査対象の労働者のうち一部に関して、アンケート調査が実施できておらず、予定の調査人数に至っていないことから、引き続きアンケート対象者を増やす予定である。また、調査内容についても、アンケート協力企業との協議の中で、当初の計画していた質問項目をやや絞って実施するなどの調整を要したため、アンケート実施までに時間を要した。 また、初年度実施を終えている労働者に対する職業性ストレス簡易調査票における集計およびデータ入力について、時間を要しており、研究全体の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に調査期間を延長し、引き続きアンケート調査を実施する。十分な解析ができる回収データ量を確保するためにアンケート調査に協力する企業を増やすことを計画している。また、調査の回答者に占める女性の割合を増やすために、対象者の業態や広げることも検討している。 得られたデータの分析を進めてゆき、職業性ストレスと食行動および飲酒行動への影響について解析した結果等を学術集会や論文での発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に引き続いてアンケート調査を予定しており、次年度にアンケート作成費および郵送費の支出が見込まれる。また、学術集会への発表を予定しており、次年度に繰り越して使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に実施するアンケート調査票の作成費用および郵送費用とそれに必要な諸経費、また学術集会での発表を行うために旅費等での使用を計画している。
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