2015 Fiscal Year Research-status Report
就労者における双極性障害の早期診断、事例性に関する研究
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26860440
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
出口 裕彦 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30721790)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 双極性障害 / 就労者 / 早期診断 / 事例性 / 疾病性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、M.I.N.I(精神疾患簡易構造化面接法:MINI INTERNATIONAL NEUROPSYCHIATRIC INTERVIEW)を用いて大うつ病性障害(Major Depressive Disorder:MDD)と診断され通院加療中の就労者(もしくは就労していた者)を「MDDの就労者」と「双極性を有するMDDの就労者」を2群に分類し、職場で早期に見られた抑うつ症状や就労困難に繋がりうる職場での問題(事例性)などそれぞれの特徴を明らかにし、2群間の比較、同集団を追跡することにより就労という視点から双極性障害の早期診断に有用となりうる予測因子の発見を目的としている。 具体的には、研究に関する書面での説明に対し文書で同意を得た上で、独自に作成した自己記入式質問表を配布し①DSM-IV-TRの診断基準に準じた各抑うつ症状のうち、最初に職場で自覚した症状、②最初に自覚した就労困難に繋がりうる職場での問題(事例性、「遅刻・欠勤・早退」「仕事量がこなせない」 「上司・同僚との人間関係の悪化」「ミスが増えた」「明らかに仕事の能率が下がった」「飲酒量や喫煙量が増えた」「他人と接するのを避けるようになった」など)、③個人背景として性別、年齢、婚姻状況、子供の有無、学歴、飲酒頻度や量、就労背景として事業所の規模、職種、勤続年数、採用形態、勤務形態、時間外労働時間(持ち帰り仕事時間を含む)等を調査している。 双極性の評価には、第一度近親者の双極性障害家族歴の有無、発症年齢、精神病症状の有無、これまでのエピソード回数、Temperament Evaluation of Memphis, Pisa, Paris, and San Diego-Autoquestionnaire(TEMPS-A)で評価される循環気質や発揚気質、などの情報を収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大阪市立大学医学部付属病院神経精神科に通院中の外来患者だけでなく、当医局関連の精神科クリニックの協力も得て研究を進めており、順調に研究対象者を確保できている。
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Strategy for Future Research Activity |
目標とした症例数は達成できており、今回の研究で得た結果を平成28年8月の日本うつ病学会等で発表、その後論文作成により公表する予定としている。そのためのデータ整理や解析に時間を要するため、引き続く平成28年度も研究を本継続する。
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Causes of Carryover |
目標とした症例数は達成できており、今回の研究で得た結果を平成28年8月の日本うつ病学会等で発表、その後論文作成により公表する予定としている。そのためのデータ整理や解析に時間を要するため、引き続く平成28年度も研究を本継続する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会出張費用、英文校正費用、オープンアクセス誌への論文投稿など。
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Research Products
(3 results)