2016 Fiscal Year Research-status Report
豚が保有するクロストリジウム・ディフィシル(C・D)とヒトC・D症の関係解明
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26860441
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
臼井 優 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (60639540)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Clostridium difficile / 豚肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究より、Clostridium difficileは、家畜の糞便中(特に子豚の糞便中)に高率に含まれていることが明らかとなった。C. difficileは芽胞形成菌であり熱に対して非常に安定であることから、と畜場で肉がC. difficileに汚染された場合、市販肉に長期にわたり残存する可能性がある。そこで、日本における市販肉のC. difficileの汚染実態を明らかとするため、市販肉からC. difficileの分離を行い、その性状を解析した。北海道内6店舗の小売店で購入した鶏挽肉(89検体)、豚挽肉(91検体)、鶏レバー(28検体)、豚レバー(24検体)及び牛肉(34検体)から、増菌選択培養によりC. difficileの分離を行い、同定した。分離株についてリボタイピング、毒素遺伝子の検出、及び8種の薬剤(VCM, MNZ, CLDM, CTRX, EM, CPFX, LVFX, TET)に対する薬剤感受性試験を実施した。結果、鶏挽肉6/89検体(7%)、鶏レバー1/28検体(4%)から計8株のC. difficileが分離され、豚挽肉、豚レバー及び牛肉からは分離されなかった。分離された8株のリボタイプは高病原性を示す株と同一ではなかったが、鶏挽肉由来1(13%)株はトキシン陽性(A及びB)であった。全ての分離菌株はCPFXにCLDMに耐性を示し、TETに7(88%)株が耐性を示した。今回、市販肉から低率ではあったもののトキシン陽性株が分離されたことから、市販肉は市中感染の原因となり得ることが示された。C. difficileは芽胞を形成し過酷な環境に耐えるため、肉からヒトへの伝播を防ぐためには、十分に加熱し食することが必要であることが示唆された。今後、ヒトへの伝播についてさらに明らかにする必要がある。 また、市販肉だけでなく豚の糞便を材料とした堆肥を介した経路についての検討を開始し、堆肥を介した伝播経路について提案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家畜からの伝播経路の一つとして市販肉を介したものを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果により、市販肉を介した伝播経路が明らかとなった。しかし、肉となる成豚からのC. difficileの分離率は低い。そこで、堆肥を調べたところ堆肥を介した伝播経路が明らかとなった。そのため、堆肥から野菜等を介した伝播が疑われることから、市販野菜等の汚染実態を明らかにすることを計画している。
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Causes of Carryover |
平成28年度、子豚の糞便を含む堆肥からのクロストリジウムディフィシルの分離を試みたところ、高率に分離がされた。研究遂行上、動物からヒトへの伝播経路を解明するためには、堆肥から野菜などの食品を介した経路を明らかにすることが不可欠であることから、当初の計画にはなかった市販野菜を含む食品からの分離を追加で実施するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
市販野菜からのClostridium difficileの分離を行い、子豚由来株やヒト由来株との比較を行う。
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Research Products
(2 results)