Evaluation of herd immunity using the NA titer against the circulating rubella virus strains.

2016 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 26860453
• Research Institution: Osaka Prefectural Institute of Public Health
• Principal Investigator: 上林 大起 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 研究員 (50622560)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 風疹ウイルス / 液性免疫 / 細胞性免疫 / 中和抗体 / 胎盤 / 持続感染 / マイクロアレイ / インターフェロン

Outline of Annual Research Achievements

昨年度までに得られた知見を発展し下記の成果を得た。
【健常人血清の持つ中和抗体の市中流行株に対する交差反応性の検討】初年度に樹立した中和抗体測定系にて同一検体を複数回測定した際の、Genotype 1a, 1E, 2Bに対する幾何平均中和抗体価と95％信頼区間は、10.6 [7.6-13.5], 9.8 [6.5-13.2], 13.0 [10.2-15.8]であった（n=10）。Genotype 1aに対する中和抗体価とIgG抗体価にROC曲線解析を適応したところ、IgG抗体価10IU/mLは中和抗体価1:8に相当した（n=101）。中和抗体価1:8をカットオフ値とした際のGenotype 1a, 1E, 2Bに対する中和抗体保有率は、85.2%, 73.3%, 50.5%であり、Genotype 2Bに対する中和抗体保有率は、1a, 1Eに比べて有意に低かった（P<0.002, Fisher's exact analysis)。
【RV複製制御因子の同定と複製制御メカニズムの解析】胎盤絨毛癌由来培養細胞におけるRV持続感染モデルを樹立し、非感染細胞と比較し発現が増強される遺伝子群の中からIFN-lambda 2（IFNL2）に着目した。IFNL2は、ヒト神経膠腫由来細胞U251にてRV複製を87～98％抑制したが、ヒト胎盤絨毛癌由来のJarやJeg3細胞においてRV複製を殆ど抑制しなかった。IFNL2は、IFNL受容体に認識されISG56, OAS1, PKR等の発現を誘導する。U251細胞においてIFNL2はこれらを3.6～44.1倍誘導したが、IFNL2はJar細胞で殆ど誘導しなかった。Jar細胞のIFNL受容体の発現は、U251細胞と比較すると0.08～0.17倍と低かった。ヒト胎盤組織におけるIFN-LR1の発現も、その他のヒト組織と比較し低かった。

Research Products

• [Journal Article] Mitochondrial damage elicits a TCDD-inducible poly(ADP-ribose) polymerase-mediated antiviral response (2017)
  • Author(s): Tatsuya Kozaki, Jun Komano, Daiki Kanbayashi, Michihiro Takahama, Takuma Misawa, Takashi Satoh, Osamu Takeuchi, Taro Kawai, Shigeomi Shimizu, Yoshiharu Matsuura, Shizuo Akira, and Tatsuya Saitoh
  • Journal Title: Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America Volume: 114 Pages: 2681-2686
  • DOI: http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1621508114
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Journal Article] Evaluation of sensitivity of TaqMan RT-PCR for rubella virus detection in clinical specimens (2016)
  • Author(s): K Okamoto, Y Mori, R Komagome, H Nagano, M Miyoshi, M Okano, Y Aoki, A Ogura, C Hotta, T Ogawa, M Saikusa, H Kodama, Y Yasui, H Minagawa, T Kurata, D Kanbayashi, T Kase, S Murata, K Shirabe, M Hamasaki, T Kato, N Otsuki, M Sakata, K Komase, M Takeda
  • Journal Title: Journal of clinical virology Volume: 80 Pages: 98-101
  • DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jcv.2016.05.005
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Journal Article] 市販生カキにおけるウイルス汚染調査 （2010-2011 ～ 2015-2016シーズン） (2016)
  • Author(s): 入谷展弘、改田厚、山元誠司、上林大起、阿部仁一郎、久保英幸、野田衛、西尾孝之 、小笠原準（大阪市立環境科学研究所）
  • Journal Title: 大阪市立環境科学研究所所報 Volume: 78 Pages: 1-6
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Journal Article] 2015 年に大阪市内の食中毒原因調査において検出された下痢原性微生物 (2016)
  • Author(s): 中村寛海、後藤 薫、山本香織、入谷展弘、阿部仁一郎、久保英幸、改田厚、 上林大起、山元誠司、平山照雄、平井有紀、山﨑一夫、長谷篤、西尾孝之、小笠原準（大阪市立環境科学研究所）
  • Journal Title: 大阪市立環境科学研究所所報 Volume: 78 Pages: 13-20
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Journal Article] 2015/16 シーズンに大阪市で分離された季節性インフルエンザウイルス (2016)
  • Author(s): 久保英幸、上林大起、改田厚、入谷展弘、平井有紀、山元誠司、西尾孝之、小笠原準（大阪市立環境科学研究所）
  • Journal Title: 大阪市立環境科学研究所所報 Volume: 78 Pages: 7-12
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Presentation] 近畿ブロックでの麻疹検査 (2017)
  • Author(s): 倉田貴子、上林大起（大阪府立公衆衛生研究所）、駒野淳（国立病院機構名古屋医療センター）
  • Organizer: 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 麻疹ならびに風疹の排除およびその維持を科学的にサポートするための実験室診断および国内ネットワーク構築に資する研究 平成28年度第2回班会議
  • Place of Presentation: 国立感染症研究所（東京都）
  • Year and Date: 2017-02-16 – 2017-02-17
• [Presentation] IFN-lambda 2による風疹ウイルスの感染制御 (2016)
  • Author(s): 上林大起、倉田貴子、弓指孝博（大阪府立公衆衛生研究所）、駒野淳（国立病院機構名古屋医療センター）
  • Organizer: 第39回日本分子生物学会年会
  • Place of Presentation: パシフィコ横浜（神奈川県）
  • Year and Date: 2016-11-30 – 2016-12-02
• [Presentation] Rubella research in Osaka Prefectural Institute of Public health (2016)
  • Author(s): 上林大起（大阪府立公衆衛生研究所）
  • Organizer: 所内セミナー（Dr.Susan Reef）
  • Place of Presentation: 大阪府立公衆衛生研究所（大阪府）
  • Year and Date: 2016-11-11 – 2016-11-11
• [Presentation] 麻疹ウイルス持続感染によるヒト絨毛膜細胞のmRNAの発現変動 (2016)
  • Author(s): 倉田貴子、上林大起、弓指孝博（大阪府立公衆衛生研究所）、芳田剛（東京医科歯科大学）、駒野淳（国立病院機構名古屋医療センター）
  • Organizer: 第64回日本ウイルス学会学術集会
  • Place of Presentation: 札幌コンベンションセンター（北海道）
  • Year and Date: 2016-10-23 – 2016-10-25
• [Presentation] 2015/16シーズンに大阪市内で流行したロタウイルスA（G2P[4]株）の遺伝子解析 (2016)
  • Author(s): 山元誠司、改田 厚、上林大起、久保英幸、入谷展弘（大阪市立環境科学研究所）
  • Organizer: 第64回日本ウイルス学会学術集会
  • Place of Presentation: 札幌コンベンションセンター（北海道）
  • Year and Date: 2016-10-23 – 2016-10-25
• [Presentation] 手足口病流行へのコクサッキーウイルスA6の関与 (2016)
  • Author(s): 上林大起、改田厚、山元誠司、久保英幸、入谷展弘（大阪市立環境科学研究所）
  • Organizer: 第64回日本ウイルス学会学術集会
  • Place of Presentation: 札幌コンベンションセンター（北海道）
  • Year and Date: 2016-10-23 – 2016-10-25
• [Presentation] 風疹市中流行株に対する監視の重要性 ～風疹の排除にむけて～ (2016)
  • Author(s): 上林大起、山元誠司（大阪市立環境科学研究所（併任）大阪府立公衆衛生研究所）、倉田貴子、加瀬哲男、駒野淳、弓指孝博（大阪府立公衆衛生研究所）、久保英幸、改田厚、平井有紀、入谷展弘、西尾孝之、小笠原準（大阪市立環境科学研究所）
  • Organizer: 平成28年度 地方衛生研究所近畿支部ウイルス部会研究会
  • Place of Presentation: 和歌山市役所（和歌山県）
  • Year and Date: 2016-09-30 – 2016-09-30
• [Presentation] Single genetic clades of EV-D68 strains in 2010, 2013, and 2015 in Osaka City, Japan (2016)
  • Author(s): A Kaida, N Iritani, SP Yamamoto, D Kanbayashi, Y Hirai, U Kohdera, M Togawa, K Amo, M Shiomi, T Nishigaki, T Kageyama, H Kubo
  • Organizer: The 19th Annual Meeting of the European Society for Clinical Virology
  • Place of Presentation: Altis Grand Hotel（LISBON, PORTUGAL）
  • Year and Date: 2016-09-14 – 2016-09-17
• [Presentation] 大阪市で検出されたエンテロウイルスD68型の分子疫学解析（2010～2015年） (2016)
  • Author(s): 改田厚、圀府寺美、天羽清子、塩見正司 【非会員共同研究者】久保英幸、入谷展弘、上林大起、山元誠司、西尾孝之、外川正生、西垣敏紀、浅井定三郎、影山努
  • Organizer: 第57回日本臨床ウイルス学会
  • Place of Presentation: ホテル華の湯（福島県）
  • Year and Date: 2016-06-18 – 2016-06-19
• [Presentation] 大阪府での麻疹・風疹の発生状況と今年度の研究計画 (2016)
  • Author(s): 倉田貴子、上林大起、加瀬哲男（大阪府立公衆衛生研究所）、駒野淳（国立病院機構名古屋医療センター）
  • Organizer: 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 麻疹ならびに風疹の排除およびその維持を科学的にサポートするための実験室診断および国内ネットワーク構築に資する研究 平成28年度第1回班会議
  • Place of Presentation: 国立感染症研究所（東京都）
  • Year and Date: 2016-05-24 – 2016-05-25
• [Book] 集団胃腸炎事例からのノロウイルス GII.P16-GII.4 Sydney _2012 の検出-大阪市 (2016)
  • Author(s): 入谷展弘、上林大起、改田 厚、阿部仁一郎、中村寛海、山元誠司、久保英幸、小笠原 準（大阪市立環境科学研究所）、伯井紀隆、森 宏美、坂本徳裕、廣川秀徹、松本健二、吉村高尚、土見日出夫、喜多直哉、伊藤大樹（大阪市保健所）、野田衛（国立医薬品食品衛生研究所）
  • Total Pages: 3
  • Publisher: Infectious Agents Surveillance Report (国立感染症研究所)
• [Book] G2型のロタウイルスAによる感染性胃腸炎集団事例＿大阪市（2016年） (2016)
  • Author(s): 山元誠司、上林大起、改田厚、久保英幸、入谷展弘、小笠原準（大阪市立環境科学研究所）、伯井紀隆、森宏美、藤森良子、澤野芳範、廣川秀徹、松本健二、吉村高尚（大阪市保健所）
  • Total Pages: 2
  • Publisher: Infectious Agents Surveillance Report (国立感染症研究所)
• [Remarks] 風しん情報（大阪府感染症情報センター）（大阪府立公衆衛生研究所）
  • URL: http://www.iph.pref.osaka.jp/kansen/zbs/zfs.html
• [Remarks] デング熱とデング出血熱について～流行地域へ渡航の際はご注意ください～（メルマガかわら版＠ｉｐｈ）
  • URL: http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/157-1.html
• [Remarks] 乳幼児期の身近なウイルス感染症 －手足口病について－（公衛研ニュース）
  • URL: http://www.iph.pref.osaka.jp/news/vol60/news60.pdf