医師コホートを用いた医師キャリア選択に対する社会経済的背景等の影響に関する検証

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26860455
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 松居 宏樹 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70608794)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 医療政策学

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，既存の医師コホートに対しWebコンピュータ支援型自記式調査を実施し，社会経済的背景や，職業満足度等の医師の個人特性情報に関するアンケートを実施し，それらの因子が医師の勤務地選択や，病院診療所などの職場選択，専門医取得等の，医師のキャリア選択に与える影響を定量的に評価し，国内における医師の分布や，専門間の偏りが生じているメカニズムを明らかにし，国内の医療政策の向上に貢献すること，そして，国外に日本の医師キャリア選択過程を明らかにすることで，国外の医療制度設計に資する事を目的としている。
医師のキャリアパスの構築は、近年様々な変化が生じていることは周知の事実である。例えば、２００４年には初期研修が必須化され、医師の初期キャリアは大きな変化を迎えた。それに伴い医師のキャリア選択の選好も変化が生じ、大学病院の勤務医の減少などが生じたといわれている。初期研修受け入れ病院側の体制も大きな変化が生じた。２０１７年からは新専門医制度が始まる。これに伴い医師のキャリアパスもさらなる変化が生じると考えられる。しかし、医師の選好に影響を与える因子などは明らかとなっていない。
今年度、複数の医師パネル提供会社を対象にヒアリングを行いコホートポピュレーション、研究遂行における倫理的課題とその解決プロセス、費用などを精査し、適切な調査を行うインフラとして妥当である点を確認した。
これらの、医師コホートを用いて、今年度医師の専門医取得に対する選好とそれに影響を与える社会経済学的因子を同定する。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究を行うためのインフラの選定が完了し、実契約を行う段階にいたっている。当初予定より遅れているものの、今年度中での研究完了の目途がついている。また、専門医制度の導入時期も２０１７年度にずれ込んでいるため、適切な調査時期を設定し調査を行う。

Strategy for Future Research Activity

今年度、上期に上記医師コホートに対しWebコンピュータ支援型自記式調査を実施する。
対象者を特に専門医取得前医師に絞り込み、社会経済的背景や，職業満足度等の医師の個人特性情報に関するアンケートを実施し，それらの因子が医師の勤務地選択や，病院診療所などの職場選択，専門医取得等の，医師のキャリア選択に与える影響を定量的に評価する。

Causes of Carryover

今年度、主任研究者に他用務が集中したため当該研究プロジェクトへのエフォートが低下した。また新専門医制度の開始時期がずれ込んだため、いくつかの調査業務を次年度へと繰り越した。（これは、すでに、申請を行い認められている。）

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度、繰り越した調査業務を遂行する。