2016 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of sympathetic nervous system on progression of alcoholic liver disease and chronic drinking in hypertensive individuals
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26860466
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
姫宮 彩子 (白鳥) 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90593301)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アルコール性肝障害 / 高血圧 / 高血圧自然発症ラット / 慢性飲酒 / 交感神経系 / 肝星細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高血圧自然発症ラットSHR(Spontaneous hypertensive rat)に慢性アルコール投与を行い、アルコール性肝障害への高血圧の影響とその機序について検討した。 平成26および27年度には、7週齢雄のSHRと正常血圧ラットWKY(Wistar Kyoto normotensive rat)の慢性飲酒モデルラットについて、SHR、WKYともに、肝機能低下を伴うアルコール性脂肪肝を認め、SHRではWKYよりも増悪する病態を呈することを明らかにした。また、炎症性マーカーTNF-α、線維形成マーカーTGF-β1およびCollagenⅠ・Ⅳ、活性化肝星細胞マーカーα-SMA、肝内の交感神経関連マーカーとしてアドレナリン作動性α1a受容体、交感神経活性因子NPYのmRNA発現量も、慢性アルコール投与を行ったSHRでより高値を示した。蛍光二重免疫染色による肝星細胞のα1a受容体の発現の検討においても同様の傾向を示した。平成28年度では、交感神経関連因子としてチロシンヒドロキシラーゼ(TH)の蛋白レベルの発現量を検討した結果、SHR、WKYともに慢性アルコール投与によって増加し、特にSHRではより高値を示した。 以上の結果から、SHRへの慢性アルコール投与は、WKYと比べてアルコール性肝障害をより増悪させる可能性が示唆された。また、この機序として、慢性アルコール投与による交感神経系の異常活性化が肝内アドレナリン作動性α1受容体刺激を亢進し、活性化肝星細胞の肝障害への寄与をより促進させる可能性が示唆された。 高血圧と慢性飲酒は、交感神経活性化の相乗作用によってその病態の増悪因子として相互に影響しあっている可能性が考えられ、高血圧者のアルコール摂取の健康リスクについて社会に広く周知する必要がある。
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Research Products
(1 results)