2016 Fiscal Year Annual Research Report
The withdrawal from Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs in cancer pain patients
Project/Area Number |
26860479
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂下 明大 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (90514662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がん疼痛 / 非ステロイド性消炎鎮痛薬 / NSAIDs / 中止 |
Outline of Annual Research Achievements |
非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られないがん患者の痛みに対してオピオイドを開始する時には、非オピオイド鎮痛薬を中止せずに併用することがWHO方式がん疼痛治療法や各ガイドラインで推奨されている。しかし、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の長期投与は消化性潰瘍や心血管イベントを引き起こす可能性があり漫然と投与を続けることは回避するべきであり、NSAIDsが無効と考えられる患者には中止が検討されるべきである。現在までに、医師に対して、がん疼痛を持つオピオイド鎮痛薬とNSAIDsが併用投与されている患者においてNSAIDsの中止を日常臨床でどの程度実施しているか、その理由、などを調査した研究はない。 平成26年度には、がん診療拠点病院の緩和ケアチームに勤務している専従医師に対して、がん疼痛に対してオピオイドとNSAIDsが併用されている患者において、どの程度NSAIDsが中止されていることがあるのか、また、NSAIDsの中止を試みる理由、使用しているNSAIDsの種類についてインタビューを行った。 平成27年度では、インタビューから得られた内容から質問項目を策定し、がん疼痛に対してオピオイドとNSAIDsが併用されている患者についての質問紙を作成した。 平成28年度では、さらに質問紙の妥当性を評価するために、がん診療拠点病院に勤務する専従医師、がん治療医に対して質問紙を配布し検証を行い、現在解析を行っている。中止理由としては、疼痛の軽減、副作用の出現、有害事象の予防、長期投与、薬物相互作用、などが項目としてはあげられた。質問紙による回答結果からは、今後臨床現場において、NSAIDsの中止基準について明確に提示できる可能性が示唆された。
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