2014 Fiscal Year Research-status Report
慢性ストレス環境での、グリア細胞由来神経栄養因子による十二指腸上皮透過性の制御
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26860484
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田中 史生 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20623292)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機能性消化管障害 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度研究計画に則り実験を行い、下記の結果が得られた。慢性ストレス負荷により、十二指腸粘膜・粘膜下層内glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF)蛋白発現量は、ストレス負荷時間依存的に抑制されることが確認された。ストレス負荷第10日目では、GDNF蛋白発現量はコントロール群に比し有意に低下した(53.8 ± 19.2 vs. 352.7 ± 36.9 pg/mg protein, p < 0.01)。またストレス負荷による十二指腸上皮細胞間接着装置構成分子の発現変化について、タイト結合・接着結合・デスモゾームをそれぞれ構成する分子を網羅的に解析した。その結果、接着結合を構成する分子であるE-cadherin mRNA発現量は、GDNFと同様にストレス負荷時間依存的に抑制されることが判明した。ストレス負荷第10日目のE-cadherin蛋白発現量は、コントロール群の約30%まで有意に低下していた(p < 0.05)。E-cadherin mRNA、蛋白発現量は、いずれもGDNF蛋白発現量と有意な正の相関がみられた(p = 0.0002, r = 0.68; p = 0.0003, r = 0.64)。上皮細胞の管腔側、細胞接着装置に一致してGDNFとE-cadherinが共発現していた。一方、慢性ストレス負荷はタイト結合やデスモゾームを構成する分子への影響を及ぼさなかった。以上の結果について、国内外で学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慢性心理的ストレス負荷により、十二指腸粘膜・粘膜下層内のGDNF発現量が低下し、接着結合を構成するE-cadherinの発現量においても影響を及ぼすことが判明した。すなわち実験計画に沿った一定の成果は得られており、おおむね順調に進展していると考えられる。一方、次段階として十二指腸粘膜透過性測定法の確立を試みているが、安定した実験系の獲得にやや難渋しており、今後さらなる実験手法の改良が必要と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画に基づき、継続的に研究を推進する。平成27年度の研究目標として、慢性心理的ストレス環境下において、GDNFが十二指腸上皮透過性を制御していることを明らかにする。 具体的には、まずは十二指腸粘膜透過性測定法の確立を目指し、さらなる実験手法の改良を試みる。その後、ストレス環境下でのrecombinant GDNF、GDNF中和抗体などの外因性投与による、十二指腸上皮透過性への影響について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究における研究経費の主要な用途は消耗費等である。内訳として実験試薬、実験器具、実験用動物、抗体、real time RT-PCR用のprimer・probe等の購入に使用した。本年度は経費節約により、また学会発表期間など実験の規模を縮小した時期もあったため、次年度使用額が生じたものと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究における研究経費の主要な用途は消耗費等であり、次年度も使用用途はほぼ同じである。しかし最終年度でもあるため実験規模を拡充し、次年度使用額と、翌年度分として請求した助成金とを合算し、研究費として使用する。内訳として実験試薬、実験器具、実験用動物、抗体、real time RT-PCR用のprimer・probe、ELISA kit等の購入に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)