2014 Fiscal Year Research-status Report
過敏性腸症候群の未患者に対する携帯情報端末を用いた認知的介入は有効か?
Project/Area Number |
26860485
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤井 靖 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (50508439)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 認知行動療法 / non-patient IBS / 消化器心身症 / ストレスモデル / 認知的介入 / 携帯情報端末 / 機能性消化器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,代表的な消化器心身症である過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome;以下IBS)の未患者(以下non-patient IBS)を対象として,心理的ストレス状況下における携帯情報端末を用いたリアルタイムでのストレス認知修正を意図した認知行動療法の技法適用が,どの程度症状低減効果を持つのか,ということについて検討することを目的としている。 平成26年度は,(1)「成人を対象としたRome III診断基準を用いた対象者のスクリーニングと,ベースラインとしての症状,QOL評価や心理社会的背景をアセスメントする手続き」を行った。具体的には,抽出された対象者において心理的ストレス状況をあらかじめ設定し,各人が日常場面の中で携帯情報端末を用いて心理的・生理的状態の評価を行った。なお,計画は想定以上にスムーズに進んだため,本来平成27年度に実施予定であった,(2)「携帯情報端末上のワークシートを用いた心理的介入とその効果の検討」の一部を行った。介入はストレスモデル関連因子,特にストレス認知の修正を意図した認知的再体制化がメインであり,他に生活習慣改善のための心理教育も行われた。 (1)の結果から,対象者においては心理的ストレス状況下におけるストレスモデル関連因子に特異性が認められ,これらの要因をコントロールすることでIBSの症状やQOLを改善することが出来る可能性が窺われた。また(2)については,平成26年度は介入期間におけるおおよそのデータ採取が終了し,引き続きフォローアップ期間のデータ採取を行うこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は研究全体の大きな2つの柱である(1)non-patient IBSの心理的ストレス状況下における心理的・生理的状態の評価と,(2)non-patient IBSのストレス認知修正を意図した心理学的介入の効果,のうち,(1)のみを実施予定であったが,想定以上にスムーズに研究が進捗し,(2)の一部をも行うことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,大きな目的の一つである(2)non-patient IBSのストレス認知修正を意図した心理学的介入の効果について,携帯情報端末を利用し,申請者らが独自に作成した認知的再体制化ワークシートに取り組むことによって,消化器症状にどのような影響が及ぼされるのかを検討する。既に介入期間のデータ採取は概ね終了しているため,平成27年度はフォローアップ期間のデータ採取が中心となる。また,結果のとりまとめと解析,考察を早期に行い,研究結果を関連学会を通じて国内外に発信することを予定している。
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Causes of Carryover |
平成26年度は,想定していたよりも研究の進捗スピードが早かったため,前倒しにて調査を進めた。平成27年度は,このことに伴い,フォローアップデータ採取の残りを行うことになり,そのための残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フォローアップ期間のデータ採取にあたり,スケジュール連絡・調整のための郵送費や,データ入力のための謝金として使用する予定である。
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