2014 Fiscal Year Research-status Report
メタボリック症候群と運動器症候群の発症・進展機構における共通基盤の解明
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26860489
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平田 匠 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (00383795)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨代謝マーカー / 骨型アルカリホスファターゼ / 酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病ならびにメタボリックシンドロームを有する者を対象とした脳・心血管疾患ならびに骨粗鬆症の発症に関する前向きコホートデータベースの構築を検討し、本年度は基盤整備および予備検討を行った。予備検討は、平成23年より先端医療振興財団で行われている健常者を対象とした住民コホート(神戸トライアル)の保存血清522名分(男性154名、閉経前女性100名、閉経後女性268名)を活用し、骨代謝マーカー(BAP値(μg/L)、TRACP-5b値(mU/dL))の測定を行い、性別、年齢ならびに肥満の有無による骨代謝マーカーへの影響を検討した。 その結果、BAP値・TRACP-5b値ともに閉経後女性>男性>閉経前女性の順に高値を示した(BAP:閉経後女性16.5±5.3、男性14.1±4.4、閉経前女性10.5±2.8、TRACP-5b:閉経後女性432.7±140.6、男性323.7±100.0、閉経前女性241.3±112.6)。男性・閉経前女性では年齢の増加に伴いTRACP-5b値の上昇を認めたが、BAP値は有意な変化を認めなかった。一方、閉経後女性では年齢の増加に伴い有意なBAP値の低下を示すとともに(50歳未満:17.0±5.1、50-59歳:16.8±5.2、60-69歳:16.5±5.5、70歳以上:15.6±5.0)、70歳以上でTRACP-5b値の低下を認めた(70歳未満:436.1±144.7、70歳以上:408.2±104.7)。また肥満者では非肥満者と比較し男女ともBAP値は高値を示し(男性:肥満者15.7±4.4、非肥満者14.1±3.9、女性:肥満者15.1±6.1、非肥満者14.8±5.4)、閉経後肥満女性では閉経後非肥満女性よりTRACP-5b値が有意に低値を示した(非肥満437.6±142.2、肥満371.9±104.7)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備検討に関しては概ね順調に進行していると考えられる。しかし、新たなコホート研究を構築するための基盤構築に難渋している。これまで研究フィールドとなりうる医療機関の探索、ならびに当該医療法人との交渉を行ってきたが、研究実施の合意を得た医療法人はなく、現段階で新規コホート研究の実施自体が困難な状況となっている。したがって、全体としての達成度は「やや遅れている」と評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
脳・心血管疾患ならびに骨粗鬆症の発症に関する新規の前向きコホートデータベースの構築を行う方針で基盤整備等を進めてきたが、研究フィールドの確保が難しく、現状の研究計画を予定通り進行することが困難となっている。そのため、今後は神戸トライアルなどの現状で利用可能な現在進行中の前向きコホート研究のデータを用いて、本研究の目的に合致する研究を随時進めていく方針としている。
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Causes of Carryover |
新たなコホート研究を構築するための基盤構築に難渋しているため。これまで研究フィールドとなりうる医療機関の探索、ならびに当該医療法人との交渉を行ってきたが、研究実施の合意を得た医療法人はなく、現段階で新規コホート研究の実施自体が困難な状況となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
神戸トライアルなどの現状で利用可能な現在進行中の前向きコホート研究のデータを用いて、本研究の目的に合致する研究を随時進めていく方針としている。今後、保存血清を用いた各種代謝マーカーの測定を行う計画を進めているとともに、研究結果の学会発表も予定している。
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