2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of diagnostic procedure and the therapy that assumed microRNA and neovascularisation molecules a target in the hepatocarcinogenesis
Project/Area Number |
26860510
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
野村 貴子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (70645415)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 血管新生分子 / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は肝細胞癌での特異的miRNAと血管新生分子の同定、治療における標的分子としての可能性、診断及び治療の有効性のマーカー、予後判定としての有用性を明らかにすることである。 昨年度までに、マイクロアレイを用いて肝細胞癌細胞株におけるmiRNAの発現を網羅的に解析し、発現プロファイルを作成後、クラスター解析を行った。それらの結果により、種々の肝細胞癌細胞株において特異的に発現変化を起こしたmiRNAを同定した。その後、肝細胞癌の根治術を行った肝細胞癌患者の末梢血液を用いて、治療前後でのmiRNAの変化について検討したところ、治療前後でmiRNA量は明らかな変化を示し、異なるクラスターを形成していた。また、治療前後で有意に変化していたmiRNAを同定し、根治術後には減少していることが示された。 本年度は、肝細胞癌の根治術前後で有意に減少のみられた7分子(miR-125a-5p, miR-204-3p, miR-423-5p, miR-1247-3p, miR-1304-3p, miR-3648, miR-6857-5p)の内、新たな腫瘍マーカーの候補としてmiR-125a-5pに注目して検討を追加し、miR-125a-5pは細胞周期アレストやアポトーシス誘導などの癌抑制に関わる分子を標的遺伝子とすることが判明した。また、C型肝炎ウイルスについてウイルス持続陰性化が得られた後にも、miR-125a-5pは有意に減少がみられていた。血液中に安定して存在するcirculating miRNAはバイオマーカーとして有用性が高く、また、C型肝炎ウイルスのウイルス持続陰性化が発癌抑制に繋がることがこれらの検討でも示唆されたと言える。
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