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2014 Fiscal Year Research-status Report

GISTにおけるnoncoding RNAのエピジェネティック制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 26860514
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

新沼 猛  札幌医科大学, 医学部, 助教 (60708113)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
KeywordsGIST / noncoding RNA
Outline of Annual Research Achievements

GIST細胞株における網羅的な遺伝子発現解析
エピジェネティックなサイレンシングの解除目的にGIST-T1細胞株を5-aza-dCおよび4-PBAで処理した後にtotal RNAを抽出。抽出したRNAを用いてAgilentのSurePrint G3 Human GE マイクロアレイによって遺伝子発現の網羅的解析を行った。マイクロアレイに搭載されている約1万のnoncoding geneのうち709 probeが薬剤処理後に2倍以上の発現上昇が認められた。統計学的処理および転写開始点近傍のCpG islandの有無にてさらに絞り込みを行い58 probeをエピジェネティックに不活化されているnoncoding RNAの候補として抽出している。その中にはMEG3,NEAT1といった遺伝子が含まれており、qPCR解析を行っている。

ヒストン修飾解析
GIST-T1細胞株におけるヒストン修飾をクロマチン免疫沈降シークエンス法(ChIP-seq)により解析した。発現アレイ解析と同様に薬剤処理したGIST-T1細胞株のDNAを使用しH3K4me3、H3K27me3に対する抗体を用いて、それぞれクロマチン免疫沈降を行い、得られたDNAをSOLiD3を用いてシークエンス、アライメントの後にMACS2 softwareを用いてピーク解析を行った。H3K4me3のChIPシークエンスでは薬剤処理後に約14000のdifferntial peakが検出され、現在発現アレイとの統合解析、qPCR解析によるValidationを行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成26年度はGIST細胞株におけるnoncoding RNAを含む網羅的遺伝子発現解析、同じくGIST-T1細胞株における薬剤処理前後のH3K4me3とH3K27me3抗体を用いたChIP sequence解析、臨床例の網羅的メチル化解析とデータ統合解析を行う予定であった。マイクロアレイ実験、ChIP実験は終了しており、それらのデータ解析、データ統合もある程度進んでおりエピジェネティックにサイレンシングを受ける候補noncoding RNAもいくつか抽出できている。
また、年度中に臨床検体のメチル化解析も行う予定であったが、public databaseのGIST臨床例のメチル化アレイ解析データを代わりに用いることで候補noncoding RNA遺伝子の実際の臨床検体でのメチル化状態の情報が得られるため、それにより候補遺伝子のメチル化状態が推察される。このため全体の進行具合には大きく影響は及ぼしていないと考えている。
全体のデータの統合解析も行い、抽出候補noncoding RNA遺伝子をqPCR法で解析しValidation実験を行っているが、発現が低く検出困難なnoncoding RNAやSYBR green法、Taqman assayなど検出法を変えてもValidationできないnoncoding RNAなどがあり、現在qPCR解析を行っているところであり、おおむね予定通りの進行状況と考えている。

Strategy for Future Research Activity

H27年度はH26年度に行ったGIST-T1細胞株の遺伝子発現解析、およびChIP sequence解析、メチル化解析の統合により得られた候補遺伝子のqPCRによるvalidation実験を継続して行う。検証されたnoncoding RNAが得られれば候補noncoding RNAの発現ベクターの作成を行い、機能解析を行う。発現ベクターをGIST細胞株にトランスフェクションし、その遺伝子発現の細胞増殖能に与える影響をMTTアッセイ、コロニーフォーメーションアッセイなどで解析。細胞増殖能に影響が認められた場合にはFACSを用いた細胞周期解析、アポトーシス解析などを追加することでnoncoding RNAの作用機序の更なる解明の一助としたい。また、遊走能や浸潤能に与える影響をMatrigel invaionアッセイやBoyden chamberアッセイ、wound healingアッセイなどで解析を行う。機能的に非常に重要な可能性のあるnoncodin RNAであればその作用機序をさらに検討したい。
GISTは細胞株の種類が限られており、細胞株における遺伝子の発現状態によっては発現ベクターではなくsiRNAによるノックダウン実験をメインに機能解析実験を行うことも予想される。
また、候補noncoding RNAの発現やメチル化状態を実際の臨床検体を用いて解析し、GISTのリスク分類や転移の有無、予後などの臨床病理学的因子との比較検討を行い臨床的なマーカーや治療標的になり得るか検討を行う。

Causes of Carryover

これまでに細胞株を用いた遺伝子発現のアレイ解析、ChIPシークエンス解析は終了し候補遺伝子を抽出してきた。公開されているGIST臨床例のメチル化解析アレイの結果も統合し、候補遺伝子の中からさらに機能解析を行う遺伝子を絞り込んでいる。qPCRでの検証に予定以上の期間を要しているため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度の使用計画は基本的には大きく変わりはない。遺伝子の機能解析に用いる試薬やキットの購入に当てる、また、細胞培養関連の試薬や培地類の購入に使用する。臨床検体を用いた遺伝子発現、DNAメチル化解析にはDNA、RNA抽出試薬あるいはキットの購入、メチル化解析用試薬類、qPCR用の試薬類などの購入に使用する予定。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 消化管間質腫瘍の再発に関連するmicroRNAの解析2014

    • Author(s)
      新沼 猛
    • Organizer
      日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2014-11-25 – 2014-11-25
  • [Presentation] 消化管間質腫瘍における microRNA 遺伝子のエピジェネティックな 制御2014

    • Author(s)
      新沼 猛
    • Organizer
      日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2014-09-27 – 2014-09-27
  • [Presentation] 消化管間質腫瘍における microRNA 遺伝子のエピジェネティックな制御2014

    • Author(s)
      新沼 猛
    • Organizer
      日本エピジェネティクス研究会年会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2014-05-27 – 2014-05-27

URL: 

Published: 2016-06-01  

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