2014 Fiscal Year Research-status Report
運動とDPP-4阻害薬が糖尿病を有する心筋梗塞患者の心血管機能に与える効果の検討
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26860552
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
藤本 直紀 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80718289)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動療法 / 心血管機能 / 2型糖尿病 / 急性心筋梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、2 型糖尿病を有する急性心筋梗塞患者において運動療法とDPP-4阻害薬の併用療法が、左室拡張機能と血管機能にどのような効果を与えるか、また、左室-大動脈カップリングの改善を介して運動耐容能を改善させるか、について検討することである。また、これらの患者において、運動とDPP-4阻害薬の併用療法の効果とそれぞれの単独治療の効果とを比較することにより、併用療法が心血管機能や運動耐容能に相加的、相乗的な効果を有するか否かを検討することである。
対象患者において、運動療法とDPP-4阻害薬の併用療法が左室機能や形態へ及ぼす効果を検討するために、心筋梗塞発症急性期と5ヵ月間のプログラム終了時に、心エコー検査、心臓MRI を用いて左室収縮・拡張機能、左室容積、左質重量、左室重量-容積比、を測定を行っている。また、MRI検査により心筋の線維化の程度を測定し、左室リモデリングの様式を評価する予定である。血管構造や血管機能に関しては、PWV 検査を用いて動脈硬化の程度を、Endo-PAT を用いて血管内皮機能を評価している。また、予後指標として臨床上重要である最大酸素摂取量を心肺運動負荷試験(CPX)で測定している。CPX検査施行時には、非侵襲的に最大運動時の心拍出量をも測定し、最大酸素摂取量と心拍出量から末梢組織での酸素取り込み能を評価している。CPX検査から算出されるこれらの指標から、運動耐容能がどのようなメカニズムで改善するかについての検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、性別、梗塞サイズ、HbA1c 値に隔たりが生じないように2型糖尿病を有する急性心筋梗塞患者を運動療法群、DPP-4 阻害薬内服群、併用群(各群15 名)に割り付けることを予定していた。しかし、三重大学附属病院に入院される急性心筋梗塞患者には、既にDPP-4阻害薬内服している等の除外基準に当てはまる患者が予想より多かったため、被験者のリクルートが当初の予定よりやや遅れていた。この問題を解決するために、急性心筋梗塞患者の外来心臓リハビリを行っている三重大学循環器・腎臓内科の関連病院のなかで本研究に必要な検査を行うことが可能である病院に協力を要請し、多施設共同研究として本研究を行うこととした。これにより被験者のリクルートが改善すると考えられる。今までのところ、本研究に参加された被験者の運動慮法への継続率は非常に高く、プログラム前後での諸検査、そのデータ解析は予定通り行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究への被験者のリクルートが最大の課題となると考えれる。今後も引き続き、三重大学附属病院やその関連施設の循環器医、理学療法士、看護師に本研究の詳細を繰り返し伝え、被験者のリクルートを依頼する。
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Causes of Carryover |
被験者数が当初の予想より少なかったため、検体検査・保存、謝金などへの費用が当初の予定より少なかった。しかし、次年度にはその被験者の検査が必要であり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は被験者が、当初の予定より増加する。そのための費用として使用する。
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