2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of Exercise and DPP-4 inhibitor on Hemodynamics and Exercise Capacity in Myocardial Infarction and Type II Diabetes
Project/Area Number |
26860552
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
藤本 直紀 三重大学, 医学系研究科, 助教 (80718289)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動耐容能 / 糖尿病 / DPP-4阻害薬 / 急性心筋梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血糖降下作用に加え、左室機能を改善させることが動物モデルで報告されたDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬を運動療法と併用することにより、2型糖尿病を有する急性心筋梗塞患者の運動耐容能(最大酸素摂取量:peak VO2)を相加的、または、相乗的に改善するか、否か、を検討することである。また、心機能、血管機能への効果も同様に検討することである。そこで、可及的早期再灌流療法を施行された急性心筋梗塞患者のうち、コントロール不良の2型糖尿病を有する患者を、5カ月間の運動療法、運動療法とDPP-4阻害薬併用群に割り付け、5ヶ月間の観察期間の前後で併用療法の効果を検討した。試験開始時には両群12名ずつの被験者でプログラム前後のデータ採取を予定していたが、現時点では13例(併用療法群6名、運動療法群7例)の患者でプログラム前後の運動耐容能、心機能、血管機能の評価を終えている。主要評価項目であるpeak VO2はプログラム前後で両群とも改善し(時間効果p=0.003、グループ×時間効果p=0.66)、その改善度は併用療法群で19±15%(17.6±3.3 vs. 20.6±2.8 ml/kg/min, p=0.02)、運動療法群で14±15%(20.8±5.9 vs. 23.3±5.7 ml/kg/min, p=0.03)であった。運動療法は有意に運動耐容能を改善させることが確認された。peak VO2の改善度とそのばらつき、また、相互作用効果p値から判断すると、期待されていた併用療法の運動耐容能に対しての相加的・相乗的な効果は乏しいと考えられる。今後、引き続き、症例登録を継続する予定である。
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