2015 Fiscal Year Research-status Report
心不全進行における低酸素環境と組織幹細胞システムの意義
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26860560
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
眞田 文博 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30722227)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
各心不全モデル(急性心筋梗塞モデル、大動脈縮窄モデル、動静脈シャントモデル)を用いて、心臓内低酸素環境の広がりを評価している。また、これらの心不全モデルにおいて、心機能の増悪する心不全代償期から非代償期にかけて発現が亢進する因子を探索している。これらの因子のうち、発現が著明に亢進する分泌たんぱく質としてペリオスチンたんぱく質を見出した。この因子は低酸素環境、左室伸展刺激下で主に線維芽細胞より分泌され、心筋接着を弱め心筋細胞死を誘導し心臓拡張を引き起こしていることが明らかとなった。さらにこのたんぱく質のC末端領域には4つのスプライシングアイソフォームが存在しており、各バリアントのノックアウトマウスモデルを作成し、現在心不全モデルでの心機能を解析中である。これまでのところペリオスチンエクソン17のノックアウトマウスでは心臓の繊維化が抑制され、梗塞内残存心筋量が増えること、ペリオスチンエクソン21ノックアウトマウスでは血管新生が抑制され、心機能が悪化することが明らかとなった。また全てのペリオスチンノックアウトマウスにおいて骨髄幹細胞由来マスト細胞の成熟が阻害され、脱顆粒現象が抑制されていることも分かっている。今後は独自に作成したペリオスチン中和抗体による心臓リモデリング抑制作用を検討すること、またより安全で選択性の高い治療としてエクソンスキップ法の導入を考えている。同時にこれら治療法による心臓再生の可能性について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画は順調に遂行されている
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Strategy for Future Research Activity |
我々は4つあるペリオスチンの各スプライシングバリアントごとにノックアウトマウスを作成した。今後はこれらのマウスに心不全モデルを作成し、骨髄由来幹細胞、心臓内組織幹細胞機能と心臓再生能について検討する予定である。同時に安全で選択性の高い治療法の確立を目指している。
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Causes of Carryover |
研究は予定通り進んでいる。残高は、次年度の研究をより発展させるため、試薬の購入に使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分と合算し、研究用試薬・抗体の購入に使用する。
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Research Products
(3 results)