2016 Fiscal Year Annual Research Report
The multifaceted effects of C-type natriuretic peptide on refractory cardiovascular disease
Project/Area Number |
26860564
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
植松 悦子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教務補佐員 (10352080)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 循環器 / ペプチド / 心不全 / 拡張機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、血管平滑筋細胞や心線維芽細胞の増殖抑制作用、抗炎症作用などの作用を有する一方で、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)および脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と比べ、血圧低下作用が弱く、血行動態が悪い状態でも高用量を投与しやすいという利点がある。本研究では、拡張機能不全による心不全(HFPEF)モデルにおける内因性CNPの発現とCNP投与による心不全改善作用を調べた。Dahl salt-sensitiveラットに8%NaClを負荷しHFPEFモデルを作成した。そして、浸透圧ミニポンプを用いてCNP(0.1μg/kg/min)または5%ブドウ糖液の持続静注を4週間行い、心臓超音波検査により心機能を評価し、心臓カテーテル検査により血行動態を評価した後心臓を摘出し、生化学的・病理学的評価を行った。その結果、心臓超音波検査において、左室収縮能に関しては両群に有意差はみられなかった。心臓カテーテル検査においては、CNP投与群は左室最小dP/dtがVehicle群よりも改善していたが、最大dP/dtに関しては両群で有意差はみられなかった。左室拡張末期圧についてもCNP投与群が有意に低値を示したが、動脈圧は両群間で有意差はみられなかった。左室心筋における内因性CNPについて免疫染色で評価したが、本モデルにおいて明らかな発現の増加はみられなかった。遺伝子レベルでのN2B/N2BA比は両群間で差がみられなかったが、Connective Tissue Growth Factor (CTGF)についてはCNP投与群で低下傾向を示した。また、CNP投与群では左室の形態学的コラーゲン密度がVehicle群よりも有意に低下していた。以上より、CNP投与は、HFPEFモデルにおける左室拡張障害を改善しており、その要因のひとつとして左室線維化の軽減が考えられた。
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