2014 Fiscal Year Research-status Report
老化に伴う酸化ストレスと冠血管攣縮との関連について
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26860577
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
山田 慎哉 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60566834)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 冠血管攣縮 / 抗老化タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
抗老化タンパク(SMP30)欠損(KO)マウスを用いて加齢に伴う酸化ストレスの亢進と冠血管攣縮の発生機構の関連について検討した。今回、8-10週の野生型(WT)マウスとSMP30KOマウスを用いて冠動脈の酸化還元状態を評価した。また、WTマウス、KOマウスより大動脈を摘出し、アセチルコリン投与後の一酸化窒素の産生量をfree radical analyzerを用いて測定し比較した。まずMonocholobimane蛍光染色にて冠動脈におけるチオール基の酸化還元状態を評価した。細胞内外のチオール基に由来する蛍光強度は、WTマウスと比較しKOマウスで減少した。また、グルタチオンアッセイキットにて大動脈における総グルタチオン、酸化型グルタチオンおよび還元型グルタチオン濃度を計測したが、KOマウスの大動脈はWTマウスと比較し、総グルタチオン、還元型グルタチオン濃度は低下し、酸化型グルタチオン濃度は上昇した。続いて、WTマウス、KOマウスより大動脈を摘出し、アセチルコリン投与後の一酸化窒素産生量をfree radical analyzerを用いて測定し比較した。その結果、アセチルコリン投与後、WTマウスと比較しKOマウスでは一酸化窒素産生は減少した。今回の研究により、SMP30KOマウスの冠微小血管および大動脈では、酸化ストレスが亢進し、血管内皮細胞においてthiol酸化が促進していることが判明した。また、血管内皮依存性の血管拡張作用を有する一酸化窒素の産生がSMP30KOマウスにおいて減少することも判明した。このことは、加齢による酸化ストレスの亢進が、一酸化窒素産生の低下および冠血管攣縮に関与している可能性を示唆するものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化ストレスと冠血管攣縮発生機構との関連性の解明について、現在のところ順調に検討が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、血管内皮細胞においてthiol酸化が促進しており、thiol酸化の促進が、一酸化窒素産生の低下および冠血管攣縮に関与している可能性が示唆された。今後さらに研究をすすめ、thiol酸化の予防が冠攣縮性狭心症の発生及び進展に及ぼす効果につき検討し、thiol酸化阻害薬の冠攣縮性狭心症治療薬としての可能性を解明する。
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Research Products
(3 results)