2016 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of in vivo metabolic flows reveals accelerated utilization of glucose and lactate in penumbra of ischemic heart
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26860585
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
勝俣 良紀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80464832)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタボリックイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマウス心臓の代謝イメージングに関するものである。質量分析計の開発改良に伴い、近年、臓器の代謝イメージングが実現可能となってきたが、心臓は死後の代謝変化が著しく、解糖系やクエン酸回路などの中心代謝産物の正確な代謝イメージングは難しかった。従来の凍結保存を用いた保存法では、質量分析の際に代謝が変化し、死後直後の正確な代謝状態の把握が困難であった。そこで、死後の代謝変化を最小限にするため、マイクロウェーブによる固定法を開発した。この方法は、心臓のみに5kWのマイクロウェーブを約1秒間焼灼し、心臓を固定する。従来の急速凍結保存に比較し、乳酸の蓄積が半分ほどに抑えらえ、さらには虚血のマーカーであるNADHの蓄積もほぼ消失した。さらに、炭素13(13C)でラベルした基質を用いて、心筋梗塞モデルのグルコースおよび乳酸のトレースイメージングも成功した。虚血の中心部ではグルコースを乳酸に変換するとともに、乳酸を積極的にTCAサイクルで代謝していること、虚血の周辺部位ではグルコースを積極的にTCAサイクルで代謝していることがトレースイメージングにより明らかとなった。心臓の中心代謝産物のイメージング法を初めて確立したとともに、部位による代謝の違いを解明した画期的な研究である。これらの成果を2016年にscientific reports(Sci Rep. 2016 Sep 1;6:32361.)に報告した。
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Research Products
(1 results)