2015 Fiscal Year Research-status Report
TGF-β1誘導性分子Hic-5を標的とした大動脈瘤の治療へ向けた基礎研究
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26860588
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
雷 小峰 昭和大学, 医学部, 助教 (00595069)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / マルファン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は大動脈瘤発症メカニズムに関する細胞生物学、分子生物学的解析を行った。(1)マウスより分離した初代血管平滑筋細胞を用いて、Hic-5の欠損により細胞レベルで細胞外マトリックス(コラーゲン、エラスチンなど)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP2)の発現量が減少することを明らかにした。この結果は前年度に解析したHic-5欠損マルファン症候群マウスの表現系と一致している。 (2)遺伝子発現解析アレイを用いて、網羅的にHic-5が働きかけている応答遺伝子を解析した。Hic-5の欠損により発現増加する遺伝子 1600種類と発現減少する遺伝子1800種類を同定した。大動脈瘤発症に関わった細胞外マトリックス関連遺伝子の解析ではHic-5の欠損により多くの遺伝子が減少することが明らかとなった。Hic-5は細胞外マトリックスの破壊に関わるマトリックスメタロプロテアーゼだけではなく細胞外マトリックスの産生にも関与することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度はおおむねに計画通りに進んでいる。前年度の結果に踏まえて、細胞生物学的に解析を行った。マウスの表現系に一致した結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
Hic-5による遺伝子発現制御に関して、分子生物学的に解析を行う予定である。 Hic-5は細胞接着班での機能を持つと同時に、直接核内へ移行し遺伝子発現を誘導したり、またMKK4-JNK2経路やSMAD経路を介して遺伝子発現を制御することが報告されている。このことから、核での機能および細胞内シグナル経路を介したメカニズムの両方を想定に入れ実験を行う。
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